今年も発表になっていますね。Forbesによる、「アジアで活躍するUnder30」。
Forbes 30 Under 30 Asia 2017 Healthcare&Science
https://www.forbes.com/30-under-30-asia/2017/healthcare-science/#760d89ec1722
毎年面白い起業家が色々選ばれるので、勉強になります。
なお今年は、日本人勢からは、MRIやCTなどの画像データを活用した医療AI事業を行うエルピクセル社の島原佑基氏、トイレにおける排泄物から健康管理を実現するサイマックス社の鶴岡マリア氏、東大大学院薬学研究科の研究員である丹治裕美氏の3名が選出されています。
医療AIの最注目株、エルピクセル
島原氏は、サイトTOPを飾りましたね!かっこいいです。
※画像はForbesサイトより
エルピクセルは、いくつかの医療AIを標榜する企業の中でもひとつやはり頭が抜けている印象があります。
同社のサービスを紹介する動画を見せていただいたとき、MRIなどの画像結果から医師でも発見しづらい将来発生しうる病気を同社の開発するAIが発見できる時代が本当に来れば、これは医療を大きくイノベートするな、と印象を抱きました。また、医療AIは、まず取得できる情報量が圧倒的に多い画像から進んでいくんだろうなと思っています。
島原氏と一度シンガポールでお会いしたことがありますが、おだやかな人柄と秘めた情熱にやられ、エルピクセル社のことは強く応援してきたいなと思っています。
なおエルピクセル社は、ジャフコ、Mistletoe(孫泰蔵氏が代表を務めるVC)、東レエンジニアリングより総額7億円の調達を受けています。
【プレスリリース】総額7億円の資金調達を実施いたしました。
https://lpixel.net/news/press-release/2016/3645/
また、まさに本日エムスリーの主催する、「エムスリーAIラボ」の第一号案件に採択もされています。AIに食わせる画像データ集めをm3.com経由で集める目的とのことです。
弊社医療画像診断支援ソフトウェアの研究・開発が、エムスリー株式会社の「エムスリーAIラボ」に採択されました。
https://lpixel.net/news/press-release/2017/4913/
個人的にはGEヘルスケアやシーメンスといった画像に強い医療機器メーカーと、エルピクセルが組むと、一気に画像AIが進むと思っているんですけどね。こういった企業は自社内でAI人材を囲い込みたがりそうな気もするので、難しいのでしょうか。
東南アジアで一番面白い医療スタートアップ、mClinica
エルピクセル社以外にも、自分のやっている事業と近しい医薬品の領域で、今回選出された方の中から僕の注目している方を何人か紹介してみましょう。
まずは、mClinica社のCOOとCFOのふたりです。
※画像はForbesサイトより
mClinica社は僕も最近ある方に教えて頂き知ったのですが、知れば知るほど面白いことやっていて、いまでは東南アジア×医療ITベンチャーではいま一番面白いなと思っている会社のひとつです。どうやら投資家筋では昔から結構注目されていたみたいですね。
今回選出されたCOOのVasil Rusinov氏(イケメン!)は、元ロケットインターネット、CFOのJon Lin氏はGEなどを経てmClinicaにジョインしているようです。
サービスの概要だけ掻い摘むと、モバイルアプリベースで薬局向けに経営支援プラットフォームを提供しております。mClinicaに加入する薬局は各種データが得られるほか、加入薬局においては、患者はロイヤルティポイントを獲得でき、医薬品を安く買えたりもできるようです。
これらによって集めたデータを製薬会社に販売しています。東南アジア、特にフィリピンやインドネシアは電子カルテなどの普及もまだまだで、IMSら含め処方箋データなど、まともに提供できていない状態ですので、mClinicaのデータを買っている製薬会社も、ファイザー、武田、アボットなど徐々に増えているようです。
日本でいうと僕の大好きなメディシスに近いようですが、まだ医薬品の共同購買プラットフォームまでは手を広げてはいないようです。ここまでいったら、またひとつ面白いことができそうですね。
シンガポールがHQの会社ですが、特にフィリピンやインドネシアで大きくシェアを伸ばしています。いやー面白いなあ。
つい最近、シリーズAで、シリコンバレーのUnitus Impactらから合計6.3億円調達しています。シードで500StartupsやIMJなどもはいっているようです。
mClinica Raises $6.3 Million to Transform Global Health Data
http://www.mclinica.com/insights/2017/02/mclinica-raises-6-3-million-transform-global-health-data/
中国で医薬品卸のIT化はどう進むのか
もうひとりが、中国でYao InnovationsのCofounderである、Peng Yi氏です。
※画像はForbesサイトより
この方は僕は知らなかったのですが、上の紹介文読む限り、医薬品のオンライン購買プラットフォームを開発し、高速かつ安価で配送まで行うロジまわりまでも一括でやってしまっているようです。なんと、既に中国で20,000病院・薬局で使用されているとのこと、、メディシスが国内約2,000弱と考えると、なかなか凄い数字ですね。共同仕入れとかもやってるのかなあ・・・
英語の文献があまり見つからず、詳細は手に入らなかったのですが、継続ウォッチしていこうと思います。もし詳しいことご存知の方いたら教えてください!
医薬品購買・卸の領域は、まだまだオンライン化の可能性が大きい領域だと思っています。東南アジアを牛耳っているDKSHやZuelligなどもオンライン化は全然できていないですし、今後めちゃくちゃIT化していくはず。
というわけで、イケてる年下の人を見るとほんと刺激受けますね。僕も頑張っていきます!ではまた!
▼Forbes 30 Under 30 Asia 2017 Healthcare&Science
https://www.forbes.com/30-under-30-asia/2017/healthcare-science/#760d89ec1722
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