肺炎で旅行まるつぶれ
皆様あけましておめでとうございます。
この年末年始、シンガポール来て初めて長期でお休みいただいて日本帰ったのですが、なんと肺炎になってしまい、最後の週末以外は、予定も全部キャンセルし、ずっとベットで寝ていることになってしまいました。色々とお約束いただいた皆様、お時間あけてもらったのに、ほんと申し訳ございませんでした。
肺炎、初めてなったのですが結構やばい病気で、1週間くらいぶっ続けで、40度の高熱とか出るんですよ。
何度熱を測っても39度を越え、しかも、夜も極度の頭痛とせきが止まらず、睡眠も数日間まったくできず、肺炎だと診断されるまでは、原因も明確にわからず、あまりに長引くのでまじで死ぬのかなと何度も不安に教われました。人生30年でTOP5くらいに入るしんどさでした。
ただ、今回の肺炎になったおかげで、実体験として医療における課題を大きく見つける結果になりました。
発症は休みの初日。熱が38.5度くらいで、次の日から友達とマカオ香港旅行に行く予定してたので、なんとか下げようと必死の努力して、翌朝起きたら37.5度とかで、これはいけると踏み込みました。
思えばこれが間違いなのですが、友人と2人だけでの旅行の手前、申し訳なさ過ぎて、さすがに直前キャンセルも避けたく、頑張って行った結果飛行機降りると39.5度まで熱が上がってしまいました。
東京とそれ以外の医療レベルの差
その次の日もずっと寝ており、その翌日もあまりにしんどいので、保険会社電話して、マカオの病院連れてってもらったんですね。
熱があまりに高く全身寒さとダルけに襲われてて、完全にインフルだと思ってたので、インフルの検査をしてほしいと申し出たら、なんと150人待ちと医師に言われ呆然としました。
こっち明らかにフラッフラですよ、もう息も上がってて明らかにやばい。で、まわり見渡したらぺちゃくちゃ元気そうに喋ってるおばちゃんだらけ。え、この人たちのために、150人待つの?冗談でしょ、と俺死ぬよ?と。もう全く効率的な医療システムが機能していないんですよね。
今にも倒れそうなので、待てませんと言ったら、診断なしで、抗生物質やらなんやら医薬品は処方してもらったのですが、これがまったく効いている感じがしない。
かろうじて解熱剤で38度程度まで熱が下がるかなくらいで。結局旅行中はずっとベッドで寝ているという最悪の結果になりました。(まったく一緒に過ごせなかった友人ですが、毎日ぽかりとバナナ買ってきてくれて泣きそうになりました。多謝。)
28日、ふらっふらになりながら羽田着いて、深夜10時に駆け込んだクリニックで、最優先で見てもらい、症状聞いて、レントゲンとることになって、その場で肺炎ですね、と診断されたときは、日本の医療に感動しました。
そしてマカオで処方されたこの抗生物質は肺炎には全く効果ないので、こちらを飲んでくださいとクラビットを処方されたときは感動と同時に、海外との医療レベルの差に大きく課題意識を感じたものです。この医療システムのせいで何人、手遅れになっているのだろうと。
医療×AIでまず取り組む領域は?
たとえば、医療×AIで取り組むべき場所も、まずここなんじゃないかと思うわけです。
メドレーの豊田氏がNewspicksで、2017年の医療について語る記事において、医療AIについて書かれていました。
【豊田剛一郎】医療サービス従事者の「信念」が問われる年に
https://newspicks.com/news/1982879/body/
※Newspicks有料会員限定記事です。
記事中で、医療におけるAIはあくまで補助ツールにとどまると述べられます。
理由としてまず、「AIが必要なほど診断や治療に難渋する場合は限定的である」と挙げられていて、これはまさしくその通りなんだろうな、と思いつつも、やはり東京や一部の限られた国、都市に限られる話ではないのだろうかとは率直に思いました。
たまたま僕だけが運悪かったということでなかったとすれば、医療の質が低い(もしくは医療システムが整っていない)国や地域においては、肺炎レベルのメジャーな病気ですら、なんらかの原因によって診断がつかず、適切な医療が提供されていない実態がありそうです。
IBMのワトソンが医師と異なる診断を行い患者を救った話など、医療ITによる、最先端の医療の更新も勿論大事なことはわかった上で、その前に、あらためて東京で我々が享受できる最先端の医療は、東京を離れると簡単には得られないものなのではないか、という視点もひとつ重要なのかと思っています。
地域を越えた医療レベルの均一化ができたとすれば、救われる人々も多いでしょう。過去のデータベース整理の世界なので、こちらの方が、IBMワトソンの世界よりも、はるかに技術的にも簡単だと思っているんですよね。遠隔診療という出口もあるでしょう。
なんてことを実体験として、しんどい思いしながら、ベッドの中で考えていました。
僕自身も昨年、アジアの医師プラットフォームを作るというミッションで、様々なことにチャレンジしてきました。しかしながら、アジアにおける医療システムの構造を深く理解した上で、医療やヘルスケアの質を向上するといった、本質的な価値提供はできなかったなと振り返っています。今年はしっかりここも意識して、事業に取り組んでいきたいと思っています。
また、今回の肺炎もそうですが、昨年は健康問題で苦しみ続け、それによって周囲の方に迷惑もかけました。
これまでどんな無茶な働き方をしても健康で苦しんだことは一度もなかったのですが、環境の違いにやられてしまったのでしょう。
健康で苦しむ中で、あらためて、業界や組織に長期で貢献するためにも、自身の健康が何より大事だと思いましたし、今年は「健康第一」をシンプルに大事にしていこうと思います。スローガンにならないように、しっかりと自分にとって苦しい決断を伴ったとしても、「健康第一」を追求していこうと思います。
それでは、今年もよろしくお願いします。
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