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医療介護ヘルスケアIT時価総額ウォッチ(2019年2月版前編):ドコモのアルトマーク、エムスリーへの売却について思うこと

皆様、こんにちはアジヘルさんこと田中大地です。

いろいろ重なり相変わらず多忙な日々が重なりブログ更新が遅れてしまいました。てもはやこの言い訳、定型文化しているのでやめたい。笑

ただ、その中でしっかりと自分の生き方を振り返り、見つめ直す機会がありました。これについては、まだ整理しきれていない部分もあり、また書くかもしれませんし、書かないかもしれません。と、冒頭から含みもたせた感じですみません。笑

さて、冒頭にてお馴染みの「今月のアイリス」wですが、2月は大好きなインターンの2人が卒業したり、

定例の熱海合宿行ってきたりしました! どや、このいい写真!!


最近アイリスの熱海合宿文化いいですね、と言われること多いんだけど、いいんですよ〜ほんとに。



あとアイリス以外のところでは、個人的にメディアでの連載もはじめたことも印象に残る出来事になったなーと思います。

この記事に書いた内容は、「テクノロジー前提のクリニックをゼロから設計」も「医療機器xスタートアップ」も、ただの宣戦布告でしかなくて、俺が、俺が作りたいんす、この世界!俺がやったるよ!!という話だけです。頑張るぜー! 



さて、早速最新ニュース行ってみましょう。
2月は多くの企業が決算発表もあり、衝撃的なニュースが盛り沢山でしたので、MUSTチェックです!

あと、今回1万字を大きく超えるかなりの長文になってしまったので、読む側もしんどいだろうなあというところもあり、トライアル的に前編・後編と分けてみたいと思います。後編も書けてるのですぐにまたアップしますね〜。

まず日経平均の推移です。
2017.12.29:22,764円
2018.2.1:23,098円
2018.3.1:22,068円
2018.4.1:21,453円
2018.5.1:22,467円
2018.6.1:22,201円
2018.7.1:22,304円
2018.8.1:22,553円
2018.9.1:22,865円
2018.10.1:24,120円
2018.11.1:21,920円
2018.12.1:22,351円
2019.1.1:20,014円
2019.2.1:20,773円
2019.3.1:21,602円

2月1日→3月1日騰落率:104%となっています。

では個別企業行ってみましょう。

医師向けサイト4社:アルトマークを巡る攻防やいかに

企業名 2019年3月
時価総額 予想PER 前月比(%)
エムスリー[2413] 11.961 57 118
ケアネット[2150] 87 28.9 102
メドピア[6095] 192 71.3 138
MRT[6034] 66 78.7 116

まず、医師向けサイトを運営する4社からです。

まず、エムスリーからいってみましょう。

まず2月の一番のビッグニュースといえば、やはりエムスリーによるアルトマーク買収でしょう。

詳細はこちらのブログ記事読んでもらえればと思いますが、国内医師のデータベースで圧倒的に利用シェアが高く、製薬会社によるプロモーションの基盤として利用されているDCFコードを運営するアルトマーク社が、エムスリーの完全子会社化されるということになり、業界全体が騒然としている状態です。



ちなみに下のツイート、自分史上一番リツイートされて、ついにツイ廃(定義不明ですが、社内的には1,000フォロワー)デビューできました。笑



さて、個人的にはドコモによるアルトマーク売却は、いろいろと思うところあり、というかドコモの振る舞いに違和感を感じました。公共インフラを作る、ってアルトマークの創業者の意思なんてどこにもないように見えました。

自分は新卒、最初の上司に教わった「義理・人情・パフォーマンス」なんて言葉をアホみたいに大切にしたいし、ビジネスやるのも儲けるのもめっちゃ大好きだけど、そこ踏み外したら絶対アカンと思ってるとこあるから、今回の件も、たとえば製薬会社各社への説明責任をドコモは果たしたのかな?と思います。

と、ちょっとポエムってみましたが、その先の大義について見えているんだったら良いと思うし、いつかこの売却を主導した人にはそのあたりを聞きたいな!と思うし、このブログ見て連絡もらえたりしたら最高だなと思います。

スクリーンショット 2019-03-17 19.28.28
©かっぴー「左ききのエレン」

左ききのエレンは命をかけて仕事してる人、全員に読んでほしい名作。


なお、このタイミングで、ドコモとエムスリーも資本業務提携を発表しています。

▼ドコモとエムスリーが資本・業務提携契約を締結 ~企業の健康経営をサポートする「株式会社empheal」を設立~
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190228_04.pdf

▼第三者割当による新株式発行に関するお知らせ(エムスリー)
https://corporate.m3.com/ir/release/2019/pdf/20190228_03.pdf



これにより、ドコモ社はエムスリー社の株式の3%を保有し、法人向けの健康経営事業を行う新会社エンフィール(empheal)を設立するとのことです。現時点では、この組み合わせで健康経営というのは戦略がわかりかねますが、エムスリーのとことなので、いろいろすごい展開があるのではないかと思います。



また、エムスリーは本資本業務提携で、新規で約500億円の調達しており、今回のアルトマーク買収に使用した差分の430億円は今後のM&Aにおいて使用するとのことですので、ますます買収・出資が加速すると思われます。今後の展開が楽しみですね!

アルトマーク買収に、メドピアはどう動くのか?

さて、アルトマーク買収に一番動揺がありそうな、メドピアの動きも見てみましょう。

メドピアは、アルトマーク社との合弁で株式会社medパスという企業を運営しております。medパス社は、アルトマーク51%・メドピア49%という持ち分なので、奇しくもエムスリーグループとメドピアの合弁会社ができてしまったという状態です。

現状ではまだ、medパスIDでメドピアがログインできてしまう状態のようで、今後どう動くのかなというところは注視していきたいですね。

参考 ▼medパスについては、以下の過去記事に詳しく書いているので是非御覧ください。
日本アルトマークとメドピアが目指す医療業界のオープンID「medパス」について考える


さて、メドピアは、クリニックの開業・経営支援サービス「CLINIC Support」を開始しています。また、クリニック開業物件サイト、コムコム.comと提携も発表しています。

▼メドピア、医師のクリニック開業・経営を支援する「CLINIC Support」を正式リリース
https://medpeer.co.jp/press/6185.html



このクリニック開業の領域は最近個人的に熱心に調べていますが、情報の非対称性をいいことにかなり開業医にとってはプラスでないことも行われていそうで、ここ、しっかり整備していくポジションに立ってほしいな〜と思います。

たとえば、安価な電子カルテを積極的に勧められる開業コンサルとかをフィーチャーしてったり、究極このサービスだけ見ていればコンサルなしでクリニックを立ち上げられるようなDr視点側に立ったサービスを作っていってほしいですね!


ケアネットは、がん専門医向けのメディアを運営するフェーズワン社と提携を発表しています。これによりケアネットの医師会員14.4万人に加え、フェーズワンの抱える3万人の医師にリーチできるようになる、ということです。

ケアネットとフェーズワンの業務提携

▼ケアネット、がん治療 に関わる専門医3万人 を抱える フェーズワンと連携
https://www.carenet.co.jp/pdf/IRlibrary/library02/2019/tekijikaiji_20190213_02.pdf

専門医向けに尖っていきたいケアネットとしては、良い提携だと思いました。



また本決算も発表しています。売上高は過去最高を更新していますが、今後スペシャルティの領域をどう攻めるか、勝負時ですね。

▼2019年2月 決算説明会資料(ケアネット)
https://www.carenet.co.jp/pdf/IRlibrary/library/H30/kessan_setsumei_20190214.pdf


MRTは第三四半期決算を発表しています。

既に営業利益で通期予想を大幅超えも、今回も通期業績予想は実質据え置きで、マイクロブラッドサイエンスの株式売却益のみを反映した業績予想修正を出しています。なにかにがつっと投資する予定はあるのかな?

▼2019年3月期 第3四半期決算短信(MRT)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6034/tdnet/1674318/00.pdf

医療ヘルスケアBtoB 6社:EMシステムズが介護領域へ本格参入!

企業名 2019年3月
時価総額 予想PER 前月比(%)
EMシステムズ[4820] 459 21.9 111
メディカル・データ・ビジョン[3902] 455 163.4 118
バリューHR[6078] 133 27 123
アトラ[6029] 35 11.5 92
Ubicom HD[3937] 134 40.8 99
データホライゾン[3628] 65 71.9 103


BtoB企業にいってみましょう。

まず、MDVは2018年度本決算を発表しています。既に修正予想が出されている通り、CADA-BOXの販売不調などを要因として、利益としては昨年を大きく下回る結果となっております。

▼2018年12月期 決算説明資料(MDV)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3902/ir_material_for_fiscal_ym/61255/00.pdf

☓の多さとかいさぎよいです!

MDV決算説明資料

製薬会社向けのデータ利活用サービスの進捗がよく、MDV analyzerのオンコロジー展開など、今後も非常に楽しみな企業ではあるので、応援していきたいですね!しかし、年間2,000万円の商品とかすごい。



ちなみに、MDVの要旨まで含まれた上の説明資料のスタイルはめちゃくちゃ良いですね!

アウトプットとしてのスライドに現れる数字だけでなく、その思考のプロセスまで明らかになるので、経営者の意思がよく伝わってきます。P.24の営業戦略や、P.28の治験サービスの状況についてのスライドとか顕著ですね。
是非他の企業も真似していただきたいです。


次に、EMシステムズは、介護ソフト「すこやかサン」らを提供するエムウィンソフト株式会社の全株式を買収を発表しています。

▼エムウィンソフト株式会社の株式取得(子会社化)に関する 基本合意締結のお知らせ
https://emsystems.co.jp/image/info/ir/irnews/2019/20190212-02.pdf



先月のジャニス社買収(https://healthcareit.jp/?p=2381)に続き、介護ソフトウェアサービス提供企業を2ヶ月連続で買収し、介護領域の統合を加速
しています。

既にEMシステムズの既存顧客とあわせて、介護事業者12,000件がEMグループのサービスを利用している、ということで、業界でも存在感を出す規模になってきています。

▼介護サービス事業者向けシステムに関する事業の今後の体制について
https://emsystems.co.jp/image/info/ir/irnews/2019/20190228.pdf



参考までに、以下が介護サービスを提供する主要上場企業の利用者数一覧です。それぞれ単位が異なるので、Apple to Appleな比較はできませんが、

参考 介護サービスを提供する主要上場企業の利用者数
・SMS(カイポケ)が16,300拠点(23,600事業所)
・NDソフトウェアが41,916ユーザ数
・カナミックネットワークが57,487有料ユーザ数
・EMシステムズが12,000事業所

というところです。


また、第三四半期決算も発表しています。
ほぼ事前の予想通りか、少しそれよりは良いという形で全体的にマイナスの状態です。今後の復活を楽しみにしたいですね。

▼平成31年3月期  第3四半期決算短信(EMシステムズ)
https://emsystems.co.jp/image/info/ir/irnews/2019/20190212-01.pdf

バリューHRが決算説明資料を!

バリューHRは本決算を発表しています。売上、利益ともに絶好調、来期も好調継続と、バリューHRの安泰さはほんとよいですねえ。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6078/ir_material_for_fiscal_ym/61804/00.pdf

てかバリューHR初めて決算説明資料をつくっている・・!!そして、感動的なほど読みやすい!美しいIRだ〜。

バリューHR 事業戦略

バリューHRって提供しているサイトのデザインもそんなに美しくないし、てっきりパワポスキルが弱いイメージが合ったのですが、業界トップクラス並にきれいで整理されたIR資料だと思いました!

今年は初ホルダーということで、はじめてあの有名な株主優待がもらえるので、楽しみに待とうと思います^^


さて、アトラは大幅に業績を下方修正しています。決算は相当厳しく、請求サービス以外はほぼ全負けという結果でした。

アトラ決算

▼2018年12月期 決算短信補足資料(アトラ)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02847/67c7c5f4/e5b8/4d25/93b3/dd3bdcf1ab50/20190312212235593s.pdf

ちなみにアトラのすっかり主要事業になっている機器販売ですが、何売ってるのかな〜とずっと思っていたのですが、EMSや接骨院用のトムソンベッドとかを売っていたのですね!

アトラの機材販売

最近僕も疲れたらカイロプラクティックに行くようにしているのですが、トムソンベッドはなんか効く気がしています。まあ日々の姿勢が悪すぎて、あまり改善効果ないのですが。。姿勢よくしたい。。


UbicomHDは第三四半期決算を発表しています。利益で2倍といった超絶決算でした。
また3月にはなりますが、ついに初の配当(5円)を発表しています。ついに待ちに待ったUbicomの時代がやってきたかな!

▼2019年3⽉期 第3四半期 決算サマリー(Ubicom HD)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03491/e10ad6e4/6c19/4a82/8741/9351486265e4/140120190207471803.pdf

データホライゾンも第二四半期決算を発表していますが、業績が第四四半期に偏重しまくっているため現段階ではなんともいえませんね!

▼平成31年6月期  第2四半期決算短信(データホライゾン)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/36280/e6198122/2a4b/405e/9bbd/ad8a921d17e5/140120190206471583.pdf

では前編はこのあたりで!残りのBtoC、介護、海外編もお楽しみに〜

▼続きはこちら

医療介護ヘルスケアIT時価総額ウォッチ(2019年2月版後編):VeevaとAmiVoice(アミボイス)の提携から考える、医療情報の音声入力の未来
皆様こんにちは、アジヘルさんです。 さて、医療介護ヘルスケアIT企業の最新ニュース、2019年2月版の後編をお届けします! まだ前編...


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