医療介護ヘルスケアIT上場企業の時価総額を毎月定点観測していきます。(5月版)
皆様こんにちは、お久しぶりです。4月体調を崩してしまい、更新が滞っておりました。気を取り直して今月もいってみましょう、
医療介護ヘルスケアIT企業の定点観測。
相場全体としては、一時17,500円を超え、そのまま突き進むかと思いきや、今月も先月同様、最後の最後でドカンと落ちましたねー。
日経平均の推移は、
2016.1.4:19,033円
2016.2.1:17,890円
2016.3.1:16,085円
2016.4.1:16,164円
2016.5.1:16,666円
4月→5月騰落率:103%
です。
最近思ったのですが、ある程度為替連動相場の日本株式においては、株価が下がれば対シンガポールドルの為替レートは良くなるので、いいリスクヘッジになるということに気づきました(笑)
僕がシンガポールに来た2015年10月頃は、1ドル90円前後だった(日経平均株価は19,000円周辺)のですが、最近両替した最新のレートでは80円切ってますからね。
日本円で給料をもらっている現状では、株価上がったら株売却、株価下がったら日本円をシンドルに両替という使い分けで、ヘッジできるということですね。
なので、いまは両替に勤しんでます(笑)
医師向けサイト4社:エムスリーが再び時価総額1兆円間近に
銘柄 | 2016年5月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
エムスリー[2413] | 9,741 | 68.1 | 110 | |
ケアネット[2150] | 42 | 26.3 | 91 | |
メドピア[6095] | 56 | 468.5 | 98 | |
MRT[6034] | 229 | 212.7 | 78 |
エムスリー本決算出ましたね。売上前年比+26%、利益+25%の好決算で、時価総額が再び1兆円間近になっています。
治験、キャリアの予測通りの成長と、海外は中国におけるMR君の採択企業の想定以上の伸び、米国のキャリア事業の好調に加えて、MR君までポテンヒットで伸びたものだから、この規模で昨対30%近い成長。さすがとしか言えませんね。
ちなみに衝撃的だったのですが、エムスリーって日本のネット企業の中では、時価総額ヤフー、楽天に続いて3位らしいですね。いまだに医療ヘルスケアに関心がない人には文房具?て言われますけどね。
またMRTもポケットドクターを開始してますね。さあ、実際にサービス始まると、数字が出ちゃいますので、さすがに騰がり過ぎた株価はかなり調整するでしょう。医療サービスに時間がかかることがちょっとわかってないのかもしれません。(・・・ええ、ただ悔しいだけです。笑)
BtoBサービス4社:メディシス売り+EMシステムズ参入
銘柄 | 2016年5月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
メディカルシステムネットワーク[4350] | 192 | 12.7 | 119 | |
EMシステムズ[4820] | 214 | 13.0 | 98 | |
NDソフトウェア[3794] | 157 | 25.5 | 101 | |
アトラ[6029] | 70 | 23.2 | 97 |
前月ご紹介した通り、主力で戦っていたメディカルシステムネットワークがストップ高連発してくれたところで100株だけ残して売り切りました。
日本郵便との提携は実現すれば面白いですが、在宅・遠隔医療も売上に反映してくるにはかなり時間がかかるだろうと思っておりますので一旦売り、その資金でEMシステムズを買い始めています。
勿論メディカルシステムネットワークがこれ以上成長しないというわけではなく、あくまで今回の上昇は、企業収益に反映するか定かではない提携話が発端だったため、持ち続ける材料ではないと判断しました。
メディカルシステムネットワークは提携話がなくとも、とてもいい銘柄だと思います。来期の薬価改定、調剤報酬改定で一度株価は沈むと思いますので、以前の買値くらいまで下がれば、また一気に買い増したいと思います。
BtoCサービス6社:MTI好決算で増配
銘柄 | 2016年5月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
ネクスト[2120] | 1,483 | 53.0 | 96 | |
エムティーアイ[9438] | 469 | 15.6 | 104 | |
日本メディカルネットコミュニケーションズ[3645] |
27 | 210.0 | 104 | |
じげん[3679] | 414 | 48.9 | 109 | |
グリー[3632] | 1,436 | 17.9 | 100 | |
DeNA[2432] | 2,811 | 22.9 | 98 |
MTI、日本メディカルネットコミュニケーションズ、グリーは決算発表してますね。
MTIは好決算で、増配も発表しています。月曜はあがるでしょう。
グリーはコストコントロールを徹底させ、かなり絞った体質で利益のマイナスを抑えてますが、主力のゲーム事業の売上が下げ止まりませんね。
ヘルスケア領域では、LespasはFY18に20億円の売り上げを目指すとの具体的な数字が出ましたね。育児サービスのスマートシッターも数字は非公開ですが、順調な推移をしているようです。
グリーは、ゲーム事業以外は、ヘルスケア事業やリノコなど個人的に興味ある事業にチャレンジしているので、ゲームが力尽きる前に、そちらが大きく伸びていってくれるといいのですが。
医療データ2社:新規カバー開始
銘柄 | 2016年5月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
データホライゾン[3628] | 39 | 45.7 | 134 | |
メディカル・データ・ビジョン[3902] | 128 | 73.6 | 144 |
今月から新しく医療データの領域でビジネス展開をする2社についてカバーを開始してみたいと思います。医療データということで、正直一般の方から見たら何やってるか全くわからない超渋い会社です。個人的にはこの2社についても注目しており、機会があれば分析してみたいと思います。
1社目はデータホライゾン。主に医療保険者を顧客としており、発行されている処方箋のブランド医薬品がジェネリック医薬品に切り替わったらどのくらい負担が安くなるのかを通知するというサービスをやっています。
データヘルス文脈でも受注実績が出来ており、徐々に注目度が高まっていますが、そもそもデータヘルス自体どこまでいくの?という状態だと思いますので、まだ何とも言えません。
2社目はメディカル・データ・ビジョン(MDV)。こちらはDPC(Diagnosis Procedure Combination、包括医療費支払い制度)対応病院に対する経営支援システムを主事業としています。
医療費により国の財政が圧迫されている現状では、DPC病院の数自体は確実に増加していくとは思いますが、DPC自体、早く安く治療を進める、ということに繋がりがちですので、医療の質が下がるという指摘も多くあります。
実際に、DPC病院と他病院を比べると、入院日数は格段に短くなっていますが、再入院の比率が高まっているというデータがありますので、これ以上大きく伸びるかどうかは、その課題がクリアになることが必要そうです。
海外メディア2社:Everyday Healthは赤字決算
銘柄 | 2016年5月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
WebMD[WBMD] | 2,385 | 35.8 | 100 | |
Everyday Health[EVDY] | 192 | – | 105 |
※時価総額の単位は百万ドル
Everyday Healthは今回の本決算で赤字だったのですね。長らく続いた赤字から、昨年せっかく脱却できたと思ったら、また赤字に戻っちゃいました。WebMDとの差別化が非常に難しく、Medscapeほど医療従事者に使われているわけではないEveryday Healthだとクライアントからしてもなかなか選ぶ理由がなさそうですね。
以上で、今月の定点観測はおしまいとさせていただきます。
最後に、恒例の
【アジアで働くヘルスケアITマーケターの今月の成績】
どーん。TOPIXが前月比103%だったのに対し、僕の成績は前月比103%となっています。2か月連続のプラスで終えることが出来ましたがメディシス以外はいまいちでしたね。。。TOPIX+10%はまだまだ遠いです。
今回の暴落で再び買いのチャンスが来てますので、指値をガンガン入れて、当たるのを待ってみてます。
【アジアで働くヘルスケアITマーケターの今月の買い!銘柄】
EMシステムズは落ちるようであれば積極的に買い増していきたいと思います。アトラあたりもそろそろ参戦してみようかな。
→前月(2015年4月版)の時価総額定点観測はこちら。
→2015年3月版の時価総額定点観測はこちら。
→2015年2月版の時価総額定点観測はこちら。ウォッチしている各社の詳しい説明も載せています
■こちらもどうぞ
・そもそも田中大地って誰?筆者の経歴とプロフィールはこちら
・メドレーオンライン病気辞典がSEOに圧倒的に強い3つの理由
・1日120万人が訪問する医薬品サイトDrugs.comを通して考える情報インフラの競争優位