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2024年振り返りと映画ベスト:生成AI時代に僕はどう生きるか

みなさま、大変今更ですが、新年あけましておめでとうございます。

引き続き筆が大変重くて、これはXの140文字/短文&長い文章はChat GPTでドラフトしてもらう習慣からの弊害なのではと思うのですが、特に長文は億劫な気持ちになってしまうので、ゆるやかに書き進めながら、書き上げるまでに1ヶ月を要しました。

本年も、ここ数年続けている石川県の白山さんで初詣をしました。毎年新年はここに詣でるという習慣を作ること、それでずいぶんと心が洗われる気持ちになるから不思議です。

2024映画ベスト10

さて、いつも振り返りが長くなってしまうので、振り返りは後半に持ってくるとして、まずは本題の2024年映画ベスト10からいってきましょう。

いつも通り、心を震わせられ、愛してやまなかった順。

1.SUPER HAPPY FOREVER(五十嵐耕平, 日本 )

2.哀れなるものたち(ヨルゴス・ランティモス, イギリス)

3.デューン 砂の惑星 PART2(ドゥニ・ビルヌーブ, アメリカ)

4.夜明けのすべて(三宅唱, 日本)

5.ぼくのお日さま(奥山大史, 日本)

6.パストライブス/再会(セリーヌ・ソン, アメリカ・韓国)

7.ゴールドボーイ(金子修介, 日本)

8.夏目アラタの結婚(堤幸彦, 日本)

9.傲慢と善良(萩原健太郎, 日本)

10.ぼくが生きてる、ふたつの世界(呉美保, 日本)

2024年は、「SUPER HAPPY FOREVER」、通称スパハピを一位にしました。

真夏のリゾートの陽気さ、

運命としかいえないBoy Meets Girl、

旅先でいくクラブ、

パーティーや幸福な日は終わりが来ることと、

そしてそれを受け入れられないこと。

わずか94分の映画に、主人公と一緒に恋をし、その出会いが運命であることを確信し、失恋し、再会に歓喜し、そして永遠に失ってしまう。

僕が映画に求めている全てが詰まった、人生でもっとも大切な映画の一本にもエントリーするようなとても大切な映画でした。

2位の「哀れなるものたち」は、成熟した魅力的な容姿を持ちながら、知能がゼロからスタートする。すなわち男性からは性的な対象になるという設定。性行為に対する羞恥心や罪悪感のような概念がなくただブランコに乗るような楽しい行為として覚えていく様。

学習するデータによって、知能はどのように進化していくのか、といった視点でもと捉えることができ、まさに生成AIの発展が異次元となってきている、今観るべき映画だったようにも思います。

3位は、「デューン 砂の惑星 PART2」。

正直前作のPart1は映像体験/音響体験以外は全然乗れず、原作も途中で離脱した勢なのですが、まあでも大作だし、シャラメ様だし観るかくらいの気持ちで観た続編。完璧な映画でした。まさか3位にあがってくるとは。

スターウォーズをリアタイで観るというのはこうした体験なのか、というのを思わせる。Do or Dieの世界線で生きるダークヒーローの誕生に喝采です。

4位以降は一言ずつ。

「夜明けのすべて」、自分も苦しい思いをしていたときに、どれだけこの映画に救われたことか。自転車に乗る松村北斗のシーンの光の美しさを僕は一生忘れないだろう。

光の魔法といえば、「ぼくのお日さま」のスケートリンクの美しさを思い出す。視線だけで関係のすべてを語らせたあの瞬間、嗚咽とともに、むせび泣いた。

同じく今年もっとも泣いた瞬間でいえば、「パストライブス/再会」のラストシーン。恋する相手と離れ、愛する夫のもとへ戻る。あの長回し、横移動撮影は映画史に残る名ショットではないでしょうか。

脚本の面白さでいえば、「ゴールドボーイ」が今年一番衝撃を受けた作品だと言いたい。何度だって騙される。もはやだいぶシナリオ忘れてるので、いま観直してももう一度全力で驚かされそうだ。天才、岡田将生に負けてない演技を見せる羽村仁成の才能に惚れました。

「夏目アラタの結婚」、死刑囚と面会人、決して触れるはずがない二人が身体的に触れ合う2つのシーン、飛行機機内で観たけど泣きすぎてCAさんもびっくりしてたんじゃないだろうか。いささか作家主義を自覚している僕が、まさか堤幸彦の名前をベスト映画に入れる日が来るとは。

スパハピやパストライブスなど、運命的なボーイミーツガールと、恋愛の終わりは、2024年の映画の象徴的なテーマであろうが、「傲慢と善良」は、マチアプ全盛期の日本における「パストライブス」のような再会劇に転化した途端、それを軽々しく飛び越える人間再生の物語。

「ぼくが生きてる、ふたつの世界」。テーマはcodaモノであるけれど、過剰にドラマチックにしない演出がすごかった。これぞ日本映画の見本。中盤の吉沢亮のオーラのなさがすごい。

ここには迷っていれられなかった作品として、「悪は存在しない」「オッペンハイマー」「新米記者トロッコ」「市子」「Chime」「シビルウォー」「ルックバック」は迷いました。

あともちろん別格「BLACKPINK BORNPINK in CINEMA」です。推し活、幸せでした。笑 今年は2年ぶりのワールドツアーということで、とても楽しみにしています。

「映画があったおかげで人生の困難さを乗り越えていけるし、現実を輝かせてくれるものだ。」デプレシャンの新作「映画を愛する君へ」で語られた言葉ですが、まさにこのように思っています。

2024年アジデミー賞

主演女優賞 山本奈衣瑠(SUPER HAPPY FOREVER)
主演男優賞 吉沢亮(ぼくが生きてる、ふたつの世界)
新人賞 松村北斗(夜明けのすべて)

まあもう今年はこの3人でしょう。最強の3人。

DJはじめました

2024年に観た映画は75本。ほぼ劇場。

2021年-2023年の過去3年が100本鑑賞ペースを守れていたので、ひさびさに100本を大きく割る鑑賞数になりました。原因は明確で、過去一夢中になっている音活(自分がDJ練習する方と、踊りに行くことの両方)に代替されたというところです。

今年の自分の人生史上最大のビッグニュースは、間違いなくDJを始めたことだと思っていて、いま練習はじめて4ヶ月くらいですが、ほんといままでなんでやらなかったんだくらい夢中です。

先日クラフトビール屋さんで公式デビュー戦もやってきて、今後も定期的にパーティやっていこうと話していて、次も決まっています。今年中にはクラブかミュージックバーで回せるように頑張ります。

新規事業の科学

毎年言ってる気もしますがが、仕事は(仕事とプライベートを明確に分ける感覚はだいぶ昔から忘れていますが)、過去数年でもほんとムズいな、という悩みとばかり向き合ってました。

特に2024年は、さまざまな立場から「新規事業」と向き合い考えることが多かった一年だったのですが、ほんとこれって永遠の問いだなと思います。

  • 事業成長はいつかは止まるので、新規事業は育成しておかなければならない

という前提がある中で、

  • 大企業からしてみてれば、たとえば年1兆円の売上が立っている中で、運良く新規事業が5年かけて成功しても得られる30億円の売上は誤差。
  • スタートアップ(特にDeepTechスタートアップだと顕著)からしてみれば、本業で1つの事業立ち上げにフォーカスした方が、期待IRRが高い。

という構造的なジレンマがある中で、企業は新規事業とどう向き合うのか、ということをよく考えていました。

もしかしたらひとつの解は、あえて新規事業を内部で育成するのをやめて、「M&Aに強いチームを作る」、というひとつの解かもしれない、ということを、たとえば今年資本市場で最も注目を浴びた企業GENDAのような企業を見ながら思っていました(といってもM&Aに強いチームを育成するのはとても大変なわけですが。ネットワーク&ファイナンス&PMI、などより高度人材が必要となるわけなので)

スタートアップの資金調達環境が大きく変わりつつある現在において、M&Aは主戦場になっていくだろうなと感じます(このあたりの変化を捉えた動きとして、ヘルスケア業界だと、メドレー社のオープンイノベーションパートナーも話題になりましたね。)

そんなことを考えながらも、当社の開発してきたAI医療機器は着実に社会浸透が進みましたし、2023年の資本業務提携からアサヒグループさんと作ってきたプロダクトがひとつ形になったのはとても嬉しいことです!

他にもPodCastを人生初やってみたり、未来のリーダーとなるような中高生向けの講師とか、いままでやったことないこともチャレンジできてよかったです。

生成AIの時代

あとは、これは特にスタートアップの方はみんな感じていると思いますが、日常的に業務で生成AIと向き合っている中で、マジで想像以上の技術進化に驚くばかりです。これだけ想像以上の技術進化が起こる中で、なんというか想像で10年先かなと思っていたことがふつうに1-2年後にはくるんじゃね、という感覚をとてつもなく持っています。

これは社会変化に対する危機感は僕自身はほぼなくて、99%変化に対するワクワクの方がずっと強い意味合いです。

まだ、AIが今ほど社会を変えることを信じる人が少なかった7年前、色んな人に「そんなリスクの高いところに飛び込むなんてお前大丈夫か」なんて言われながらも、アイリスに飛び込んだ自分の意思決定を全肯定したいと思いますし、あの意思決定がなかったら今見えている世界も全く違っていると思います。


いまは自分をめちゃくちゃ楽にするために生成AIと常に仕事しているわけですが、
デジタルにアウトプットができる仕事(経営やM&Aなど一部の超専門的職種を除き、現在のホワイトワーカーのほとんどの仕事はそうだと思っています。)はいずれなくなる(というか存在価値が極小化する)、むしろフィジカルに対しての意識がとてつもなく強まっています。

フィジカル=人間と人間の関係だったり、場を作り・持つことだったりするわけですが、そんなわけで飲み会とか、不動産という場を持つこと(もちろん利益も出しますが、投資的な文脈だけではなく場づくりの意味)に対してかなり意識を強める一年でした。

それこそ9-10月は業界内外の会食・経営者など、50回くらいしてまして(9月は1日以外全部飲んでた..w)経営者・事業家や、医師・医療者、行政、街・場作りのプロ、アーティストなど本当に多方面の方々とお時間をいただき多方面の話題でディスカッションしました。

また、フィジカルな場という意味では、自分の未来にとって重要性を帯びるであろう土地や物件をコツコツ購入することができています。

不動産まわりは金融と密結合している中で、もう少し抽象度をあげてみると、
スタートアップで、間接的にでもファイナンスにかかわっていると、どう金融と向き合うかは明らかに重要なテーマで、これまでだったら(資金をしっかりためて)10年かけてようやく一歩踏み出せることが、3ヶ月で開始できる、というレバレッジの手法について腹落ちできたことは2024年の僕の人生にとって大きな一歩でした。

場づくり事業はしっかり成長・拡大させていって、将来、大好きな街北千住で、一棟カルチャービルを作ることがいまの夢のひとつです。
映画館とクラブorミュージックバーと、クラフトビール屋と本屋を入れて、自分の大好きなものだけを詰め込み、未来のカルチャーを育てる拠点を作りたいとおもっています。

「好き」がなによりも大切な時代に

このあたりを考えるにあたって、その生き方を敬愛するアーティストでもある坂口恭平氏の「生きのびるための事務」という本と出会えたことがこの一年でも最も素晴らしい書籍でした。

もしひとが、みずからの夢の方向に自信を持って進み、 頭に思い描いたとおりの人生を生きようとつとめるならば、 ふだんは予想もしなかったほどの成功を収めることができる(ソロー)

「生きのびるための事務」

つまり事務の世界で問うべきことは、ひとつ。あなたが継続したいものが「好き」であるかどうかだけです

2024年の音楽振り返り

好きで言えば、ライブやフェスは昨年以上に、息を吸うように行きました。

2023年の808以降、EDMに夢中になってから、聞く幅がさらに広がり、四つ打ちで踊ることに夢中で仕方ないです。また、DJを始めてから、細かい音まで解像度高く聴けるようになりました。

こうしたジャンルの音楽(広くいうと電子音楽というのでしょうか)、まだまともに聴き始めて1年とかで、ここから知らない世界が広大に広がっている感覚があって、僕は知らないことを探求することに喜びを感じる気質なので、本当に人生が豊かになっていく感覚があります。BlackpinkとかSnowManとか聴いててもその後ろの音の広大さでめちゃくちゃ踊れるもん。

フェスヤレイブパーティーは、例年のフジロック&ソニマニに加えて、 タイのソンクラン(Siam&S2O)、昨年も行った808、韓国のUltra、日本のUltra、そしてラビリンスに初参加。ジャンルは幅広だけど、どれも最高だったなー。まさかここから、Ultraにいくようになるな人生が来るとは…。

出演者の中では、
Swedish House Mafia(Ultra Korea)、Chase & StatusAlok(タイ808)、ヒロコヤマムラ(フジロック)がベストアクトです。

多くの友人からラビリンスは絶対行った方がいいといわれていた、ラビ初体験は、とてつもない時間でこの世で一番好きなパーティーかもしれません。

大自然の中、ひとりのDJが6時間半ぶっ通しでやるロングセットという初めての体験で、ただ音に身を任せて踊り続けたあの感覚は忘れられません。

あといままであんま行かなかった海外アーティストの来日公演もいきはじめて、特にDua Lipaのあまりのポップスターぶり(2時間あのテンションでひとりで歌って踊れるのこの世でデュアしかおらんだろ天才)、イ・ラン(あまりの親密さと切実さにもう死ぬほど泣いた)という、躁鬱レベルのテンションの2アーティストの才能に惚れました。

そいえば終わった後に、イ・ランと物販でお話しして、DJで有名になるって約束したのでがんばります。

そんな感じの2024年でした!

繰り返しですが、生成AIがいま以上に本格化すれば、最後に人に残るのは「好き」と「熱狂」だけだなと僕も思っているし、その気持ちだけは自分でも驚くほど強い自負があるので、

2025年もヘルステック、カルチャー、そして街づくり・場づくりという、3つの「好き」を高速で行き来し熱狂しながら、他者が考える軸ではなく自分自身にとっての幸せとはなにかを追求したいと思います!


なにか思うこととかあれば、連絡ください&北千住でいつでも待ってます!それではまた!

▼昨年までの映画ベストと振り返りはこちら

オールタイムベスト

2023年ベスト
2022年ベスト
2021年ベスト
2020年ベスト
2019年ベスト
2018年ベスト
2007年ベスト
2006年ベスト

5/5 (2)

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