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メドピアの株価が2年間で6倍に!医療介護ヘルスケアIT時価総額ウォッチ【2019年6月版・前編】

皆様こんにちはアジヘルさんこと田中大地です!
さーて、いきますよ、いつもの医療介護ヘルスケア企業最新ニュース6月版・前編!!

遅れに遅れ、ついに7月最終日に前月分を更新する、という遅延の極みみたいな状態になってきました! 
せめて7月中には更新しようと思っていたのですが、思ったより記事が長くなりすぎて、後半は8月に入ってしまいますごめんなさい!

ただ7月中盤くらいから、こちらの記事で募集していた個人インターンの方にJoin頂いたので本記事から手伝ってくれてます! ので少しは改善するかな、と・・! 

今度ご挨拶ブログ書いてもらおうと思っているので、またご紹介しますね^^



さて、まずはいつもどおり今月のアイリスです。

結構もはや前になってしまいましたが、6月はアイリスメンバー全体で4回めの熱海合宿に来れました! 毎回人数が増えていて嬉しい限りですが、みんなにサプライズでめっちゃ素敵な誕生日祝いしてもらってやばかったです!


メッセージカード、たまに見てニヤニヤしてますw



ほか、アイリスが経産省主催の「J-Startup」に選出頂きました! 

全国1万社あるといわれるベンチャー企業の中から、50社に選出頂いたことは大変嬉しいですし、引き続きまずはプロダクトをしっかり世に出せるようにチーム一同頑張っていきます!

こうしたリリース効果もあり、友人やSNS経由などで「アイリスの話聞かせて!」という連絡も徐々に増えており、ありがたい限りです! 

絶賛採用中なので、我こそは!という方、FacebookでもTwitterでもなんでも構いませんので、ご連絡ください! ランチしましょう!!


あとプライベートでは、先月ついにマインドフルネスデバイスの「muse」を購入しまして、日々寝る前の日課としてマインドフルネスに勤しんでおります。

最近自身のテーマとして、とにかく「意思決定のレベルを均質化する」ってのがテーマなんですよね。

僕は自己認識として、体調とか気分とかで意思決定の質が変わっちゃうと思ってるんですよね。あんまり寝れなかったり、前日飲みすぎてちょっとだるい日は思考が浅いところで意思決定してしまった、体調良くないと強気の意思決定ができなかったり、とブレが出ちゃう。

最近は日々、大小とわず意思決定が多いので、なるべく体調とかに依存しないように、マインドフルネスこっちのブログ記事でも書いた「大自然訪問」とかをしています。どちらもめちゃくちゃオススメです!

あと、このあたりやってる人是非飲みましょうw 

さて、では最新ニュース行ってみましょう。

まず日経平均の推移です。
2017.12.29:22,764円
2018.2.1:23,098円
2018.3.1:22,068円
2018.4.1:21,453円
2018.5.1:22,467円
2018.6.1:22,201円
2018.7.1:22,304円
2018.8.1:22,553円
2018.9.1:22,865円
2018.10.1:24,120円
2018.11.1:21,920円
2018.12.1:22,351円
2019.1.1:20,014円
2019.2.1:20,773円
2019.3.1:21,602円
2019.4.1:21,205円
2019.5.1:22,258円
2019.6.1:20,601円
2019.7.1:21,275円

6月→7月の騰落率は、103%となっています。

では個別企業行ってみましょう。

医師向けサイト4社:大躍進メドピア!!

企業名 2019年6月 2019年7月
時価総額 予想PER 前月比(%)
エムスリー[2413] 13,358 60.7 96
ケアネット[2150] 74 24.3 99
メドピア[6095] 268 99.5 102
MRT[6034] 54 58.5 106

まず、医師向けP/Fを運営する4社からです。

メドピアは、調剤薬局向けかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」をリリースしています。これ、めちゃくちゃ良さそうだな〜

▼メドピア、薬局と患者をつなぐ、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」をリリース いつもの薬局を、もっと便利で安心な「かかりつけ薬局」に
https://medpeer.co.jp/press/6561.html

調剤薬局各社も患者さん囲い込みのためにアプリ作ったりしていますが、正直ユーザビリティ微妙だったり、あまりワークしているイメージなく、ここをメドピアがプラットフォーマーとしてやるのは、凄く良いですね!

kakari加盟薬局をかかりつけ薬局に登録することで、以下の3つの機能を利用できるようになる、ということです。

1.「お薬相談/CRM」機能

1つめのサービスは、患者さんが薬に関する相談をかかりつけ薬局にアプリ上でできるようになります。
もともと、かかりつけ薬剤師には、いつでも薬に関して連絡できることなどが求められるので、このあたりがチャット化することで、調剤薬局側の業務負荷も下がりそうです。

また、CRM機能として、調剤薬局側からもイベントの案内とかもできるということで、OTCのプロモーションセールとかの案内などにも活用できそうですね! 特に、ドラッグストア併設型の所とか、めっちゃ良さそう。

2.「処方せん送信/店頭チェックイン」機能で、待ち時間を解消

当然といったらそうですが、処方箋の事前送信機能もついてます。
しかも準備できたら、呼び出ししてくれる、ということで、他の所で時間つぶしててもいいってことですかね。長い所だと、20-30分待つこともあるので、便利〜!

3.「事前ヒアリング」機能

本機能は、処方箋を送信する際に、事前に経過や状況などを患者さんが入力できる機能です。

疾患によっては、なかなか対面だと薬剤師さんに相談しづらい、という患者さんも多くいらっしゃると思うので、この機能があることで、患者-薬剤師間の情報共有は加速しそうです。地味に良い機能だな〜と思いました。

また過去データのログもとれるようにしていると思うので、このあたりもデータ分析されるようになると活用できることは多そうです。



また、調剤薬局側からしたら、このアプリサービスをセットで患者さんに案内することで、かかりつけ薬剤師の点数加算にも繋げやすくなる、ということが一番の短期メリットになりそうです。

調剤薬局で働く中の人から話を聞くと、やはりかかりつけ薬剤師化は各社かなり積極的に中では進められているので、反応は多くあるのかな、と想定します。


なお、かかりつけ薬剤師点数加算の背景としては、やはり医薬品が二重処方されていたり、処方されていた医薬品がちゃんと飲まれてない、とかが大きな医療費向上の原因になっているようですね。
国としては、これをかかりつけ薬剤師がしっかり管理して医療費を下げる、というところが狙いのようです。



このとき、メドピアはスギ薬局やEMシステムズらと業務提携をしているため、サービス開始した際の導入薬局の加速ができるのが強みですね。薬局まわりの領域でガッツリ事業できている企業はそこまで多くない印象で、メドピアがエムスリー他企業に先行していて素晴らしいです。



調剤薬局向けのCRMサービスとしてで似ているモデルとしてはシンガポールのmClinicaがありますね。
CRM機能を付与していて、薬局にいくとポイントが付与されたり使えたりするので、ユーザーデータが集まるようになってて、ここで貯まったデータを製薬会社に販売するなどして、マーケティング支援を行うことで事業化を進めています。

メドピアもこのあたりは参考にしていそうですね!

▼mClinica
https://www.mclinica.com/



ちなみにkakariは、個人情報として以下のキャプチャのような情報を取得して、そのうち氏名、電話番号、メアド、かかりつけ医療機関を抜いた上で製薬会社に提供する、と明示した形でパーミッションを取得していますね。

かかりつけ医療機関を抜いているので、よほどの希少疾患以外は特定されることはないでしょうが、情報自体がかなりセンシティブなものにはなるので、セキュリティなどはかなり大事にしないといけないやつですね。

kakari 利用規約1
kakari利用規約2

実際に使うには、最初にかかりつけ薬局コードを入れなきゃいけないとのことで、対応調剤薬局に通ってる必要があるそうです。もし、対応薬局を見つけたら、僕も使ってみようと思います!

フィッツプラスがオムロンヘルスケアと連携開始

次に、メドピアの子会社のフィッツプラスが、オムロンヘルスケア社と健康保険組合向けに特定保健指導における新サービスの共同展開を開始することを発表しています。

▼フィッツプラス、オムロン ヘルスケアと特定保健指導における新サービスを共同展開
通信機能付健康医療機器による成果の見える化と、管理栄養士によるパーソナル指導をセットで実施し、特定保健指導の高い実施率と成果を実現
https://medpeer.co.jp/press/6581.html

個人的には、オンライン診療でも遠隔特定保健指導でもIoTデバイスがキーになると思ってます。

患者さんや対象者が遠隔にいたとしても、数字が共有され、医療者側がリアルタイムで見れたり、アプリ上で閾値とかをチェックできるようになることで、医療のできる幅が大きく広がるんですよね。

健康指導文脈でいうと、やっぱり月に1回の保健指導のときに過去のモニタリングデータ提出して指導されても、過去の話なんでなかなか改善しないんですが、これをリアルタイムフィードバックで管理栄養士さんからコメント届くといったUXにできれば、「見ていてくれてる感」が醸成できて、絶対改善効果は高くなるはずです。

フィッツプラスだとアプリのUIもいけてそうなので、これは相当良さそう。

フィッツプラスUI
※画像はプレスリリースより



今回はフィッツプラスとの連携ですが、これオンライン健康相談でも同様のことが言えるんで、絶対first callでも連携するだろうな・・・。

その意味で、オンライン診療などの発展とともに、必ず連携の対象になるデバイスを作っているオムロンヘルスケアやタニタなどはめっちゃ注目しています。実はMICINとかとも提携していってて、今後面白いところに張ってるんですよね〜。

まあオムロン自体はヘルスケア事業の売上比率は小さいので、株とかはちょっとどうなんかな、感はありますが。


メドピアの株価は2年で約6倍に!

引き続きメドピアのニュースを続けます。盛り沢山ですね!

2019年2月に発表されたUBSからの新株予約健発行による資金調達が実行されました。本新株予約権発行は、全3回・総額約20億円の資金調達を予定しているものの、今回は初回で7億円を調達しています。

▼第 13 回新株予約権の行使完了に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6095/tdnet/1717100/00.pdf

参考:第三者割当による第 13 回、第 14 回及び第 15 回新株予約権(行使価額固定型)の発行 並びに第三者割当契約の締結に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6095/tdnet/1675305/00.pdf

本調達は、今後のM&Aや資本業務提携のために行われるもので、今後ますますメドピアからのM&Aや提携が加速していきそうで、楽しみですね!


なお、UBSは、現メドピア経営企画部長の澤田さん(@turio10241)の前職なので、その繋がりがあったのかもですね! 澤田さんめちゃくちゃご活躍されてる、素敵!
(澤田さんは、たしか僕と同い年の黄金の85年世代wで一回ごはんご一緒させてもらいました!)

▼参考:人生を変えた小さな出来事。思考停止を打ち破って価値観を広げ、もっと広い世界へ
https://onepair.co.jp/articles/MwIlullN0tmeVSu6nNsO


こうした取り組みの結果、メドピアの株価はなんと約2年で570%も成長しています。2年前、時価総額40億円台(!)が、経営陣入れ替わって、300億円近くまでとなっており、本当に最近のメドピアには驚かされてばかりです・・。

メドピア株価推移

オンライン診療の保険算定まだ年間3,000件程度か?

次に、MRTは2019年3月期の通期決算を発表しています。

▼MRT 2019年3月期 決算説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6034/tdnet/1723504/00.pdf

引き続きキャリア事業が好調で、売上は前年比+48%の成長で22億円となり過去最高です。一方、営業利益は5千万円で、微減という結果になっています。



また、来期予想については、売上は10%増の17億円、利益は引き続き微減で約1千万円との予測となっています。なお、来期より決算期を12月に変更し、9ヶ月の変則決算です。

MRT来期決算予想

来期の方針としては、合計25万人いるグループ各サービスの統合やネット医局、医療メディアGood Doctorsの撤退可能性について言及しています。

MRT来期方針
Good Doctorsってはじめて聞いたな、と思ったのですが、最終更新が2018年5月・・!ほぼ更新されてないので、これはこそっとクローズでも良い気がしました。笑

▼Good Doctors
http://www.good-doctors.net/



なお、注目のオンライン診療、ポケットドクターは決算資料内の以下図を見る限り、年間で約2千万円の売上、費用約▲4千万円、当期利益で約▲4千万円といったところでしょうか。

ポケットドクター売上



ちなみにオンライン診療といえば、友人との間でも何度か話題に上がったニュースがこれ。

▼オンライン診療、「有効性・安全性のエビデンス」に基づき算定要件などを議論―中医協総会(1)
https://www.medwatch.jp/?p=26915

幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は「健保連の調査では2018年9月からの4か月間(約2100万件のレセプト)で、オンライン診療料の算定は39件、オンライン医学管理料の算定は21件にとどまっており、算定件数は極めて少ない。算定要件などが厳格すぎ、これが足枷になっているのではないか」と主張しました。

保険算定たったの60件!母数が2,100万件のレセプト件数とあり、レセプト全体だと年間で約11億件(平成30年度)ありますので、仮に50倍したとしても、単純計算で年間約3,000件の保険算定しかされてない

現在オンライン診療システムを入れている施設は、5,000件を超えている、といったところかと思いますが、これだと1施設年間1件以下となり、まだまだそんなものなのですね・・という感じです。

参考記事:

【2022年度最新版】主要6社のオンライン診療システムの比較一覧まとめ
追記情報・2022年7月、kakari for Clinic、LINEドクター、CARADA オンライン診療を追加 ほか全体を校正・202...

半分以上は自由診療だとしても、さすがにこれは少なすぎますね。

僕自身はめちゃくちゃオンライン診療の可能性も信じてますし、なんとかしたい!と思っているのでしっかり盛り上げていきたいと思います。

実際に製薬会社さんでオンライン診療に関する講演をちょこちょこ頂いてまして、あちこちで「オンライン診療の未来」について語りまくってますので、もし興味ある方は是非ご依頼くださいね!!

では、また後編にて!!



▼医療介護ヘルスケア最新ニュース6月版・後編の記事はこちら(現在更新中)

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