こんにちは、このニュースを見て、ヘルスケアIT企業のマッピングが作りたくなってしまいました・・!国内の医療・ヘルスケア領域が面白くなってきましたね。
医療・介護・ヘルスケア系求人をまとめて掲載する「ジョブメドレー」や、医師が作るお薬・病気辞典の「メドレー」を運営する医療・ヘルスケアITスタートアップのメドレーと、長らく医療従事者向けに記事を提供してきた記事クオリティに定評のある日経メディカルオンラインが資本業務提携のニュースです。
メドレーは、僕もお会いしたことがありますが、代表取締役社長である瀧口氏の圧倒的なパワ―と馬力でなんだかデカいことになりそうで、個人的にはとても注目している会社です。
また上にあげたメドレーの運営する両サイトは、医療・ヘルスケアIT領域の中では圧倒的にSEOがイケてるサイトとして一目おいています。
いったいこの会社のSEO戦略を作ってるのは誰なんだ!と昔調べてみたときに、元リブセンスCTOの平山宗介氏の名前が出てきて、そうゆうことね、と凄く納得した覚えがあります。
この2サイトのSEO戦略においては、また別途取り上げたいと思います。
コンテンツの質では日経メディカルオンラインが群を抜いている
さて、国内の医療×ITの領域、特に医師向けサイトを運営している企業の売上を見てみると、いま特集しているエムスリーが圧倒的で、エムスリー>>>>>>>>ケアネット、メドピア、その他という状態*なんですね。(あくまで売り上げの話で、事業の価値などの話は一切していません。)
*各社の年間売上:エムスリー売上510億円(2015年3月期)、ケアネット16億円(2014年12月期)、メドピア10億円(2015年9月期)
ただそこで提供しているコンテンツの質でいうと、日経メディカルオンラインは国内で圧倒的なトップだという認識です。
エムスリーはどちらかというと、ローカルのゴシップネタばかりを流していて、「〇〇医師がナースにセクハラ」「またあの病院で不正医療」みたいな、ついつい医師がクリックしてしまいたくなる記事ばかり流している(僕の中では医療界のGunosy的なポジション)のですが、臨床ニュースでは、やはり歴史ある日経メディカルオンラインに軍配が挙がる状況だといえます。
ゴシップばかりにも理由がある
とはいえ、エムスリー程の企業ですので、わかっててやってるんだろうなと思ってはいます。
というのも日本は長らく医局制が根強かったので、あらたな臨床の知識を学んでも、所属する医局の方針には末端の医師は逆らえないんですね。
だからあえて戦略に角を立てる意味でも、臨床ニュースに力を入れない!と決めたのかなと思っています。
実際真面目にやっているケアネットやメドピアはそこまで売上はついてきていません。
ただ、2004年に現臨床制度が施行されてからは、昔と違い大学卒業した医師が、大学病院の研修医にならずに、直接研修の整っている私立病院に就職したりするので、この医局制が徐々に崩壊してきてるんですね。
2004年に卒業からですと、20代、30代の医師は医局制関係ないよという医師が多いのではという印象です。
つまり若く、患者のために頑張ろうとする志の高い医師は、逆に日経メディカルオンラインにいく可能性があるんじゃないかと僕は思っているんですね。若くなるほど日経を読む、なんて逆説的で面白いのですが。
対するメドレーは流行りのスタートアップというイメージがありますが、代表取締役医師なんてポジションを作るくらい、医師をしっかり囲い込んで、エビデンスも確認しながらコンテンツ制作をしています。その意味では日経メディカルオンラインとは相性が良いんですよね。
メドレー瀧口氏の野望は
とはいえ、そこは日経、ですので、きっとネットビジネスはわかってない人たちが集まっているわけです。実際エムスリーになれる土壌はありながら、なれなかったわけですしね。
ここにヘルスケアITの期待のホープ、メドレーが掛け合わさったら、、とても面白いと思いませんか?
リリースでは、まずはジョブメドレーから共同事業を行うということです。ここは日経メディカルオンラインの50万人の医療従事者会員向けにキャリア事業を行うということで、そこまでサプライズのない結果になるでしょう。記事下にバナー出すとかメール送るとか、まあそんなもんでしょう。
楽しみにしたいのは、この次。
野心溢れる瀧口氏の頭の中に、「次なるエムスリー」の文字がないとは思えないのです。