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祝・カラダノート上場!競合多数のママxメディア領域でカラダノートがなぜ強いのか|ヘルステック業界ニュース11月号

カラダノート特集
アジヘルブログの読者の皆さん、こんにちは!

新年一発目の #ヘルステック業界ニュース をお届けしていきます!
今年も、旬のヘルスケア情報を独自の視点でお届けできるようにチームアジヘル一同頑張ってまいります!

今回の記事では、2020年10月に東京証券取引所マザーズに上場したカラダノート株式会社をウォッチ開始しましたので、紹介していきたいと思います。

ちなみに、僕は少し値下がったタイミングで、カラダノート株を買いました。さっそく落ちまくってますが、まあ超長期保有前提なので気にしないです。10年後に投資先からひとつでも、未来のGoogleやAmazonみたいな企業が生まれてくれればいいな〜くらいの感覚でヘルステック企業を全張りしています。笑



医療ヘルスケアITの領域ではJMDC以来の約1年ぶりの新規上場になります。

なお公募価格450円に対して、初値は1,890円という4倍以上の価格がつきました。
まさに最近のヘルスケア系の上場と同様の人気っぷりですね。現在は上昇下落を繰り返し、初値付近にいます。

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カラダノート株式会社の概要

カラダノートは、コーポレート・ビジョンに「家族の健康を支え、笑顔をふやす」を掲げ、家族の中心である”ママ”を起点にヘルスケア事業を展開する会社です。

代表取締役の佐藤竜也社長は、慶應義塾大学経済学部卒業。2004年に学生インターンとしてフラクタリスト(現・ユナイテッド)に入社し、2006年にモバイルSEO事業を立ち上げ、2008年より事業部長に就任。その後、2009年3月にプラスアール(現・カラダノート)を創業しています。

まだSEOへの認知/注目がそこまで大きくなかった2006年からということなので、いわゆる気合の入った「SEOプロフェッショナル」って経歴ですね。そのまま、得意を活かしメディア事業での起業という流れですね(起業当初はヘルスケア以外も広くメディアやってそうなキャリアにみえます)

カラダノートのビジネスモデル

続きまして、カラダノートのビジネスモデルについて、紹介していきます。

カラダノートのビジネスモデルおよび収益源

カラダノートのIR資料から、ビジネスモデルが掲載されたスライドを見てみましょう。

「大型商業施設のリアルイベントをDX化したビジネスモデル」という目の付け所、表現がおもしろいですね。

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上記のスライドから、カラダノートの収益源は、大きく以下の3つに分類できそうです。

①デジタルマーケティング支援(主に成果報酬)
②ユーザ調査/リサーチ支援
③自社サービス収益

いずれも、メディアを起点につくりこんでいったユーザデータベースを中心に据えている、いまっぽいビジネスモデルになっています。

女性のライフスタイルにとって大きな分岐である妊娠/出産にフォーカス

子供ができてママになることは、人生において大きなライフイベントです。子供が生まれた親は、マイホームや生命保険などの人生設計をこれまでより真剣に考えるでしょう。

そのため、この大事なタイミングで”家族のライフプランについて真剣に考えているママ”に対してアプローチできるカラダノートのサービスは、不動産会社や生命保険会社など人生で購入を決める機会が少ない商品を扱う会社にとっては重要なプロモーションの場になります。

僕がリクルートに入社を決めたときに心惹かれた理由のひとつでもありますが、リクルート社がサービス選定の軸に、「人の人生にとって大きな分岐となるポイントに狙いにいく」という話を聞いたことがあります。就職(リクナビ)、結婚(ゼクシィ)、不動産(SUUMO)、旅行(今の僕はずっと旅してますが、旅行は年に1回といった大事なイベントでした)・・といった具合ですね。

これのカスタマーのDBを一元化して、最適なタイミングで最適な行動動線を提供するというのが、リクルート会員ID&リクルートポイントという発想で、まさに自分がいたときに進めていた超巨大PJTでしたが、たとえば結婚・出産後に、海外旅行や不動産や保険といった同社のサービスを提供するといった流れを作っていました。

まさにこうしたユーザープラットフォーム思想で、妊娠・育児・出産という、特に女性にとって生活が大きく変わるポイントに絞ってサービスを提供するのがカラダノート社のコアコンセプトになります。

メディアや疾患管理アプリも、デザインやコンテンツから、育児世代や子育て世代向けであることがわかります。既にアプリ20個を超えるサービスですが、その全てがこの世代向けというので驚きです。

累計ダウンロード数もしっかり積み上がっています。
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育児期対象の競合他社は非常に多いレッドオーシャン

カラダノートのように妊娠・出産・育児を対象としているメディアやアプリを作成している会社は多いレッドオーシャンだといえます。

一例をあげると、株式会社シー・レップ「HugMug」NTTドコモ「Conobie」株式会社エイチーム「ラルーン」株式会社メディアーノ「ルナルナベビー」、また、カラダノート同様のスタートアップだと、コネヒト株式会社「mamari」株式会社コズレ「cozre」などたくさんあります。

実は僕も前職のSMSで、妊娠/育児/出産のママ向けメディアである「イクシル」というWebメディアを同じチームでやっておりました(僕自身は主担当ではないのですが、横でやってたのでぼちぼち詳しい領域です。)

妊娠・出産・育児中のママ、特に生まれて間もない赤ちゃんのママは、自分の子供が不安かの心配が自分のこと以上に心配である、という気持ちも強く、「4ヶ月、体重、適正」など、自分の子供ピンポイントで参考になる記事にアプローチします。そのため、同じメディア領域でビジネスをする場合、SEO対策が重要です。

カラダノートは、生後1ヶ月単位でカテゴリ分けをするなど、かなり丁寧にやっていて、さすがだな〜と思わされました。

カラダノートカテゴリ分類

ちなみに、試しに「4ヶ月、体重、適正」などで検索しましたが、カラダノートのママびよりは上位に表れず、ベネッセ、マイナビウォーマンなどの記事が上位に表れてました。

ここまでこだわっていても、まだまだ圧倒的No.1にはなれず、つくづく難しい領域なんだな、と思われますね。

カラダノートのメディアの強み

様々なメディアを見た上でのカラダノートの強みは、デザインやイラストがやわらかく親しみやすい、健康に特化しており実用的な記事が多い、などが挙げられると思いました。

これは、カラダノートの社員の方々の”当事者目線”が生かされている部分が非常に大きいと思います。

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上記のコメントはカラダノートのnoteから抜粋しましたが、代表取締役の佐藤さんをはじめ、社員の方々の子育て当事者としての経験が、「ママびより」のような独自性のあるメディアにつながっていることが分かります。

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上記のように、リスクはありながらも、KPIとして追っているIR資料でLTV(Life Time Value)を公開していることからも、消費者に価値を提供することを最重要指標として掲げていることがわかります。

カラダノートの将来性

カラダノートは、以下のスライドからもわかる通り、ファミリーデータの拡大、ターゲットとビジネスモデルの拡大を掲げています。
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しかし、これらが本当に実行できるのか、課題は多いと思います。
特に大きな課題は、社内のリソース面だと考えます。

これまでカラダノートは、子育て世代の社員の方が多く、自らがそういった時期に関わることよって具体的な事業アイデアが生まれるという環境が形成されていたと思います。男女の社員比が4:6で女性が多く、妊娠・出産・育児世代に関して、女性の視点で考えられたことも成長の1つだと考えられます。

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一方で、対象範囲を拡大するという戦略は、新しいターゲット層に対しての挑戦です。社員自身の経験がダイレクトに活かせる機会が少なくなっていくと思います。
当事者意識のある「ママたち自身」がつくるメディアだからこそ、実現できたクオリティコンテンツをどこまで再現できるのか、は懸念が残る部分でしょう。

また、3世代消費や内祝いEC事業、家族間のギフト事業は、大手企業の方が人材・認知度・シェア等で有利な面が大きいです。シニア向けメディアも激戦区になることが予想されます。

カラダノートにとって重要なことは、価値のある記事やアプリ作成によるLTVの維持および向上で消費者をずっと惹きつけることでしょう。先程も書いた通り、本気で人々の健康や安心に直結するコンテンツの発信を続ければ、企業ブランドの向上につながり、消費者基盤が安定し、多くの企業からのデジタルマーケニーズが増えていくと思います。

ただ、いずれにしても、厳しい環境であることは間違いないと思います。

カラダノートの業績および財務状況

最後に、カラダノートの業績および財務状況について見ていきます。

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以上の2枚のスライドから、業績に関しては順調に拡大していることが分かります。
営業利益は、なんと前年同期比241%増となっています。

営業利益の進捗率は業績予想の56%を達成しており、上場後着実に業績を伸ばしていることが分かります。

カラダノートの上場までの経緯

カラダノートの上場準備

カラダノートは一度もベンチャーキャピタルなどの外部資本を入れていないことも特徴的です。

以下は、有価証券報告書の資料から抜き出しています。

代表取締役の佐藤社長が株式の77%を保有、またその他の大株主も個人という構成になっています。最近上場するスタートアップはVCからの出資が一般的になっているので、久々にこういう株主構成を見たなという印象です。
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また、noteに掲載されていましたが、上場準備をコンサルを雇わずに自社の人材で全て実行したところもすごいです。
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以下、カラダノートの上場準備に関する記事URLを貼りますので、是非お読みください!
前編:https://note.com/karadanotecorp/n/n13b39974ae9e
後編:https://note.com/karadanotecorp/n/n5935bb7aca0c

個人投資家、穐田さんの事業への貢献

現在は保有株式割合が1%台になってはいますが、一時期20%の株式を保有していた穐田誉輝さんが経営に携わっていることも注目ポイントです。事業家や投資家では知らない人は少ないと思いますが、穐田さんは、株式会社カカクコム代表取締役社長、クックパッド株式会社代表執行役などを歴任しており、実は投資家としてもカラダノートを支援していました。

カラダノートの徹底した消費者目線のサービスは、穐田さんの経験や考えが反映されていると思います。

また、穐田さんは代表取締役の佐藤さんとボランティアで出会い、朝食2回で4000万円の出資を決定したと以下の記事では書かれています。

カラダノートの成長に、穐田さんや他の個人投資家の方々の尽力が大きく影響していたことが分かりますね!
具体的な会話内容、経営哲学などの詳細に関しては、こちらの記事に書かれています。本当に面白いので、皆さん是非お読み下さい!
https://note.com/karadanotecorp/n/n50ae9caa192b

これからもカラダノートのビジネスに注目していきたいと思います!


ヘルステック業界最新ニュース11月号まとめ

⇒1年ぶりのヘルスケア企業の上場、カラダノート株式会社を紹介!(本記事)
⇒平安好医生がオンライン診療専用の保険を開始、その狙いとは?(準備中)
⇒JMDC×Fitbitの提携を徹底考察!(準備中)

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