9月になりました。シンガポールは今日も暑いです。
さて、今月も行ってみましょう。
日経平均の推移は、
2016.1.4:19,033円
2016.2.1:17,890円
2016.3.1:16,085円
2016.4.1:16,164円
2016.5.1:16,666円
2016.6.1:16,955円
2016.7.1:15,682円
2016.8.1:16,635円
2016.9.1:16,926円
8月→9月騰落率:102%
思った以上に景気も良い兆しが見え始めているように思えます。
米国では9月の利上げの可能性もということですし、個人的には日本株も上がってくるのでは(というよりしてほしい!)と思っているので、まだ安い今が買い時ではと思い、安くなっている銘柄を久々に買いモードで攻めまくってます。
KINDLE Unlimitedで『インベスターZ』全巻読破して、だいぶ影響受けまして、なるほど分散投資だめなのね、集中投資ね、と心を入れ替えやっていきたいと思います。もうこれ読めるだけで、Kindle unlimited入る価値あるなあと思ってます。
さて、では個別銘柄を見ていきましょう。
医師向けサイト4社:エムスリー攻勢
銘柄 | 2016年9月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
エムスリー[2413] | 9,824 | 68.6 | 90 | |
ケアネット[2150] | 37 | 22.8 | 100 | |
メドピア[6095] | 36 | 305 | 84 | |
MRT[6034] | 87 | 75.6 | 101 |
エムスリーはインドでの事業展開の開始や、伝統ある麻酔科医専門の人材紹介会社を買収するなど、積極的攻勢をかけています。麻酔科医専門の人材紹介、とか凄い世界があるんですね・・・
一方で、2か月連続大幅に時価総額を落としており、三度一兆円割れとなってしまいました。狙っている人は買い時かもしれませんね。
その他3社も四半期決算を発表している中、売上利益が昨対比で厳しい推移をしているメドピアが大きく株価を落としています。
BtoBサービス4社:メディシスとアトラ買い時到来か?
銘柄 | 2016年9月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
メディカルシステムネットワーク[4350] | 136 | 11.2 | 83 | |
EMシステムズ[4820] | 257 | 14.9 | 109 | |
NDソフトウェア[3794] | 153 | 21.4 | 104 | |
アトラ[6029] | 84 | 28.1 | 75 |
大好きなメディシスは事前告知通りの昨対比利益がマイナスの第一四半期決算を発表し、大きく株価を落としています。
ただ、会社の当初計画よりは好調な推移ということで、この言葉を信じるならば、いまは買い時ではないでしょうか。
EMシステムズは引き続き順調ですね。僕はいったん少し上がったところで売ってしまいましたが、ようやく陽の目を浴びてきたか、このまま買い戻せなくなりそうな気もしています。
アトラは再び時価総額100億円台を割り、東証一部鞍替え前くらいまでに戻しています。個人的には待ちに待った買い時ということで、早速買いました。引き続き安くなるようであれば、継続的に買っていきたいと思います。
BtoCサービス6社:ネクストはTrovit社のPMIに苦戦か?
銘柄 | 2016年9月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
ネクスト[2120] | 856 | 27.2 | 74 | |
エムティーアイ[9438] | 377 | 11.5 | 90 | |
日本メディカルネットコミュニケーションズ[3645] |
23 | 33.1 | 100 | |
じげん[3679] | 608 | 52.8 | 101 | |
グリー[3632] | 1,272 | 12.3 | 102 | |
DeNA[2432] | 4,675 | 20.4 | 118 |
ネクストの時価総額は、前月比なんと300億円下げて、ふたたび1,000億円台割れをしています。
2014年に約111億円かけて大型買収したTrovit社のPMIに苦しんでいると投資家の間で見られている点が一番の理由のようです。
確かに、Trovitをアレクサのトラフィック推移を見ても、少しずつ落ちているように見受けられます。
▼Trovit.esのアレクサトラフィックランク推移
Trovit自体もともとブランドネームよりも、SEO集客力が強みであったと想定されるため、トラフィックが落ちてくると苦しいでしょう。
為替の影響も大きいでしょうが、海外事業の売上も昨年の第一四半期が9億円から8.2億円と落としています。
個人的には、海外企業の大型買収&PMIと同じような境遇にいて、難しさもよくわかるので、強く応援したいという気持ちも込めて、コツコツ買い増しています。
MTIはヘルスケアに力を入れていることがよくわかる資料を発表しています。
MTIのヘルスケア、具体的には何やってるかよくわからんぞ、という方も多いと思いますので、一度こちらの資料ご覧いただけると良いと思います。
MTI: “相場の福の神” 藤本の相場環境セミナーとヘルスケア関連銘柄2社による合同IRセミナー(2016年8月26日実施)
DeNAやグリーなど、大手インターネット企業がヘルスケア領域でビジネスをスクラッチで作ろうとしても、はなかなか具体的な成果が出ていないところ、MTIは徐々に形になり始めているみたいですね。引き続き楽しみにしたいと思います。
医療データ3社:MDVは5か月で株価3倍!
銘柄 | 2016年9月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
データホライゾン[3628] | 39 | 38.4 | 103 | |
メディカル・データ・ビジョン[3902] | 246 | 141.8 | 134 | |
バリューHR[6078] | 53 | 25.5 | 102 |
メディカル・データ・ビジョンの勢いが止まらず、ついに時価総額250億円まで到達しました。4/1時点が89億円でしたので、半年もたたず約3倍と一時期のMRTのようになっています。こんなウォッチしているのにどちらの流れにも乗れない僕の才能のなさに愕然です。
先日、メディカル・データ・ビジョンの主要事業領域であるDPC制度(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類)に詳しい日本の医師の方々がシンガポールにお越しの際に、お話を聞く機会をいただき、このDPCに関する疑問をぶつけさせていただき、かなりクリアになりました。
そのうち、お一人は日本で著名な病院経営をされているのですが、DPCのシステムにより病院経営に対する一定の難しさがあることについても教えていただきました。
現時点の制度では、DPC導入により個別の診療報酬は上がるようになっているため、ここはメリットであるものの、定額報酬になることから、一患者あたりの平均入院日数が減り、入院患者数が増えない限り病床の稼働率が落ちてしまうため、経営にマイナス影響があるということでした。
それらの病院の経営課題を解消できるようなシステム提供+コンサルティングまで踏み込めるかどうかが、メディカル・データ・ビジョンの更なる成長へのキーポイントになるかもしれません。
実際に、DPCの導入病院は現在は1,667病院ですが、それらの病院のうち、メディカル・データ・ビジョンのシステムを入れているシェアは約40%まで来ています。売上自体は積み上げで安定的であるものの、ここまでシェアを取ってしまうと、システム提供での伸びはなかなか厳しいだろうと想定されるため、次の一手がほしいところです。
海外ヘルスケア4社:アテナヘルスをカバー開始
銘柄 | 2016年9月 | |||
時価総額 | 予想PER | 前月比(%) | ||
WebMD[WBMD] | 2,027 | 29.7 | 87 | |
Everyday Health[EVDY] | 253 | – | 96 | |
Teladoc[TDOC] | 823 | – | 122 | |
athenahealth[ATHN] | 4,839 | 341.6 | 98 |
※時価総額の単位は百万ドル
前月のテラドックに引き続き、海外ヘルスケアIT銘柄を追加していきたいと思っています。今月からは「アテナヘルス(athenahealth)」を加えたいと思います。
Forbes誌の『世界で最も革新的な成長企業ランキング2016』で6位に選ばれた、いまこの業界でも注目度が非常に高い会社ですね(なお、エムスリーは5位に選ばれています)
http://www.forbes.com/growth-companies/
アテナヘルスの主要事業はsaas型のEHR(Electirc Health Record: 電子カルテ)「athenaClinicals」と請求管理ツールの「athenaCollector」です。
こういった電子カルテは病院はどうしても大型のカスタマイズが必要となってしまいますので、主要クライアントはクリニックとなります。
また、これらのシステム提供と同時に、EHRと請求管理ツールで取得したデータや医師ネットワークを活用して、様々な周辺領域にビジネスを展開しています。
2015年度の売り上げはUSD 920million、純利益はUSD 14millionで黒字化もしています。株式市場での評価も非常に高く、PER予想は300倍を超え、時価総額は約5,000億円となっており、USの医療・ヘルスケアIT関連企業ではトップクラスの時価総額です。
また、彼らのビジネスについては、どこかで書きたいなと思っています。
また前回ウォッチし始めたテラドックは、第二四半期決算を発表しています。売上はUSD 26.5millionで昨対45%増、赤字額は14.9millionとなっています。
またTotal Visitsというどれだけのユーザが利用したかも数字を出していますが、約20万となっており、昨対59%増の順調の伸びを見せています。それらの数字が高く評価され株価もぐいっと上げているようです。
さて、以上で、今月の定点観測はおしまいとさせていただきます。
最後に、恒例の
【アジアで働くヘルスケアITマーケターの今月の成績】
どーん。TOPIXが前月比101%だったのに対し、僕の成績は前月比99%となっています。
ついにTOPIXがプラス成長な中、マイナス成長となってしまいました。無念。
買いを増やしていたメディシスやネクストが厳しかったのが痛かったですね。
ずっと株価が落ち続けて悩みの種だったクラウドワークス君が、株価400円台から850円と短期間で驚異の伸びをしてくれたおかげでプラマイゼロくらいに落ち着いてますが、彼がいなかったらだいぶしんどい成績になっていたはずです。あとはクラウドワークス君をどこまで信じて保持するか。まあ買値を超えたら売っちゃう気もしますが。
【アジアで働くヘルスケアITマーケターの今月の買い!銘柄】
アトラ、メディシス、ネクストは中期的にまだまだ伸びることを期待して、安くなったいまこそ、全力で買いに行きたいと思ってます!
ではまた来月!
過去の定点観測はこちらよりどうぞ
→前月(2016年8月版)の時価総額定点観測はこちら。
→2016年7月版の時価総額定点観測はこちら。
→2016年6月版の時価総額定点観測はこちら。
→2016年5月版の時価総額定点観測はこちら。
→2016年4月版の時価総額定点観測はこちら。
→2016年3月版の時価総額定点観測はこちら。
→2016年2月版の時価総額定点観測はこちら。ウォッチしている各社の詳しい説明も載せています
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