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私はなぜこの世に生を受け何の為に生きていくのか / 個人ミッションについて、IHL(ヘルスケアリーダシップ研究会)参加に向けての覚書

「私はなぜこの世に生を受け、何の為に生きていくのか。」
「人はどこから来て(過去)、現在どこにいて、どこに向かっていくのか(未来)」



昔から、こんなことを考えがちでした。


雨宮まみ氏の「東京を生きる」の中で、とても好きな部分があります。(阿久津隆「読書の日記」の中で引用された箇所なので、そのまま引用します)

今まで、恥ずかしく、気疲れしてできなかったチャラチャラしたことをいっぱいしたい、と心から思った。それが私にとっての「生命力」というものだった。遊びたい。遊んで死にたい。そう思ったのは、遊ぶことが子供の頃から苦手だったからだろうか。苦手だけど、それが実は好きでたまらなかったのだろうか。いや、私は「軽やかに遊べる人」になる人生を、もしも生き延びるなら選びたいと思ったのかもしれない。(P33-34)

————

そんなふうになれたらどれだけ、と思うんだけど、結局そんな人生は選び取れないんだわ。軽やかに生きたい。が、生きれないんだわ。

(以上、「読書の日記」より)


僕も子供の頃から遊ぶことが苦手でした。
いや、雨宮氏と同じように、遊ぶことが大好きだったけれども、すごく楽しく遊んでいる時でも、どこか無心になりきれず、
「私はなぜこの世に生を受け、何の為に生きていくのか」「果たして無心に遊んでいていいのか」という問いが、呪いのように頭に浮かび、虚しくなるように感じることさえありました。


もっと楽に生きる方法はいくらでもあったと思いますが、まったく生きづらい。そんなことを思いながら日々を過ごしていました。


—————

話を一度変え、過去の話をしてみたいと思います。

かつて、僕は、これと決めた個人ミッションを一度失いました。

子供の頃より、誰よりも映画を愛した僕は、
あるとき「僕は映画をやるために生まれたのだ」と、個人ミッションを発見しました。



大学時代は年間300本もの映画を映画館で観るようないわゆる映画オタクで、同友との交流もあり、映画業界への道を志しました。

新卒では映画業界への就職は叶わず、「いつか必ず挑戦するぞ」と決意し、もっとも力が付きそうだ、という理由でリクルートへ行くことに決めました。


そして、5年後、自分への約束を果たすために、リクルートを飛び出して挑戦しました。

しかし、その挑戦は、良い部分は沢山あったものの、総論として失敗しました。
あれから4年が経ついまでも、忘れえない失敗体験として、深く記憶に刻まされています。周りの人を幸せにはできなかった、というトラウマは今でも残り、重要な意思決定をするときに思い出され、僕の足を引っ張ります。

しかし、だからといって、「挑戦をした」、という自分の選択を全く後悔はしていません。


先日観た、濱口竜介氏の映画『寝ても覚めても』の中で、亮平(東出 昌大)が友人に放った言葉。チェーホフのシーン。
「今、ここで帰ったらお前は一生後悔を引きずって生きることになるぞ。」

僕も、あのとき「自分のやりたい気持ち」に嘘をついて、挑戦をしていなければ、一生後悔を引きずって生きているのだろうと思います。
僕は今でもかつての自分の挑戦を、「よくやった」と褒め称える気持ちでいっぱいです。

だから、「映画」という個人ミッションを捨てた今でも、「僕は映画が大好きです」と自信を持って言えるのだと思います。

—————

「映画」という目指すべき山を失った僕は、
「川下り型」で、目の前の爆流を高速で下っていく、という生き方をすると決めました。

「山登り型と川下り型」などこのあたりの話は、以下の過去記事に詳しいので、よろしければ。

31歳になりました。今年のテーマは『STAY STRONG』でいきます。/ キャリアの「山登り型と川下り型」について


そんな中、最初はほとんどマーケットの成長性ひとつで選んだ医療介護ヘルスケア業界で、この4年間全力で走り続けました。
そして、走り続け見える世界が広がってきた中で、僕は、現在、また個人ミッションが見つけられそうな直前まで来ています。


そして、おそらくこれだなという個人ミッションを、言語化し、深化し、実現していくために、IHL/ヘルスケアリーダーシップ研究会にエントリーしました。


そして、課題書でもあった「リーダーシップの旅」を読んだ上で、エントリーシートに、自分の個人ミッションについて以下のような文章を書きました。(若干変更、追記しています)

——

約5年前、初めて読んで以来、本書を手に取ったのは2度目になります。

かつて「村のはずれの不気味な沼」の話が好きで、
そうか、リーダーとは「見えないもの」を見て、最初に1歩を踏み出せる者のことをいうのか、と強く感銘を受けた記憶が蘇ります。

私たちは、深く暗い森の中にある村の住民だ。村のはずれには不気味な沼地がどこまでも広がっていて、周囲を暗い森が囲んでいる。村には昔から言い伝えがあって、私たちは「この沼を渡るな、この沼を渡って戻ってきた者はいない」と聞かされて育ってきた。たまに、好奇心あふれる青年が沼地に足を気まぐれに入れてみるが、気持ち悪さからすぐに引っ込めてしまう。  しかし、村で暮らすあなたには、何か抑えきれない気持ちがある。遠く目を凝らすと、沼と森の果てに、ほのかな光が見えるような気がするのだ。森の向こう側には、豊かな草原と青い空が広がっているのではないか。もし、そこに住むことができれば、どんなにすばらしいだろう。青い空の下に広がる草原で自分を想像しただけで心が弾む。青い空を自分の目で見たい。年老いた両親にもぜひ見せてやりたい。そう思って、あなたは沼に一歩を踏み入れる。水は冷たく、よどむ泥がその深さを隠し、周囲の闇が身体を包む。不安や恐怖が頭をかすめ、思わず身がすくむが、それでも、沼を渡り森を抜けたい、青い空を見たい見せてやりたい、と思う気持ちがあなたに歩みを続けさせる。これが自分をリードするというリード・ザ・セルフだ。

沼地のたとえに戻せば、「吹っ切れた」 あなたが沼の中に歩みを進め、三分の一ほど進んでから後ろを振り返ると、暗い森の中の村から、一人、二人、三人と、恐る恐る沼に足を入れ、後をついてくる仲間がいる。そんなイメージだ。仲間はあなたにエネルギーを感じ、あなたは、彼(女)らがついてきてくれることに勇気と喜びをもらい、責任感を覚え始めながら、先頭に立って歩み続ける。沼を渡るためには、仲間からもらう精神的な心強さが欠かせないだけでなく、時には仲間と力を合わせることが必要となるだろう。その時、リード・ザ・セルフのあなたは、リード・ザ・ピープルのあなたへと成長し、あなたとフォロワーの間に少しずつ協働が生まれるのだ。


しかし今回5年ぶりに、本書を手に取ったときに、前回とは全く違う部分が非常に印象に残りました。

かつては、自分がリーダーでなければならない、ということにこだわりすぎていたのか、まったく記憶に残っていない部分です。

英雄は初めから英雄なのではなく、旅に出て何事かを成し遂げて生還する。生還した旅人が英雄になる。つまり、桃太郎も、鬼を退治しなければ英雄にならなかったし、鬼を退治しても故郷に帰ってこなかったら、やはり英雄にはならなかった

リーダーは、なろうと思ってリーダーになるのではなく、旅の結果、帰還、生還した時に結果としてリーダーになる。


はっとしました。

リーダーは、初めからリーダーではなく、結果を残して初めてリーダーになれるのか。


その前提にたてばおそらく、冒険を始めようと立ち上がった本人だけなく、そのリーダーを支えるチーム、こいつを信じてついていこう、何があっても支えきる覚悟でいよう、というフォローワーシップのリーダーシップも同じくらい大切なのではないだろうか。

自身の今のやっていることと重ね合ったことも大きいのでしょう、僕にはそう思えてなりませんでした。


もちろんリーダーなくては、旅そのものが始まりません。その意味で、リーダーほどかけがえのない存在はいません。
しかし、もしかすると、旅を始めることと同じくらい、旅を成功させることの方が、もっと難易度は高いのかもしれません。

桃太郎は、桃太郎一人では旅をおそらく成功させられなかったはずです。キジが調査をし、猿が戦略を練り、犬が実行する、ゆえに桃太郎は桃太郎として、伝説に残ったのではないでしょうか。


ビジネスの世界で考えてみるとわかりやすいかもしれません。世の中に、起業家は多くいますが、成功する起業家はほんの一握りです。
そして、成功した起業家にはすべからく、そのビジョンを具体的にビジネスとして仕立て、オペレーション設計し、実行するビジネスプロフェッショナルの存在がいます。

かつては本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏と藤沢氏、ソニーの井深氏と盛田氏が有名ですが、現代においてもDeNAの南場氏と守安氏や、海外を見ても、Facebookのマーク・ザッカーバーグとシェリル・サンドバーグなど、枚挙に遑がありません。


ヘルスケアビジネスにおいては、近年、現場を最も知る医療者自身が、現場における課題を解決しようと立ち上がり起業する動きが顕著です。

究極的にヘルスケアビジネスの価値提供先が「患者」であるのであれば、その患者を幸せにするために「現場の課題」を解決しようと立ち上がる彼らの多くは、大変にビジョナリーである。まさに未来のリーダー候補です。

僕は、彼ら医療者を、プロフェッショナルとして大いに尊敬しています。
その一方、彼らの中でビジネスのプロフェッショナルでもある、という人はそう多くはないでしょう。

(稀に、現場課題わかって、ビジネスできて、エンジニアリングもいけるスーパー人材がいますが、全体からすればほんの一握りですし、そういったスーパー人材でなければ起業できない、というのは違うと思っています。)


ビジネスがわからないチームが、現場の課題を解決しようと立ち上がっても、おそらく成功確率は決して高くないでしょう。

なぜなら、単に「やったことがないから、わからない」ためです。

この「経験」と、コンピテンシーやスキルをごっちゃにされることが多いですが、それは明確に別物だと考えることは大事だと思います。どんなにコンピテンシーやスキルが高い人でも「やったことないこと」はできないことは当然です。(勿論、やったことないことをできるようになるまでのスピードは能力に比例する部分はあると思います。


その意味で、
僕はこれからのヘルスケアビジネスには、現場の課題を解決しようと立ち上がるビジョナリーな医療者と、ビジネス経験の豊富なヘルスケアビジネス人材が出会い、チームを組むことが大切だと考えます。それこそリーダー候補が、結果を残しリーダーになるための一つの方法でもあります。


まずは、自分がより経験を積むことで、「自分の中のヘルスケアビジネスのノウハウ・暗黙知」をより深化させ、今のチームでの旅を成功させること。

また将来的に、多くの「未来のリーダー」をビジネス面から支える手助けをしたいと思いました。ひいては、ヘルスケアビジネス領域におけるNo.2/ビジネスプロフェッショナルの組織化・育成や、彼らと医療者の出会いの場を仕組みで作ることにも興味が湧きました。


僕自身、医療の現場は実体験として知りませんが、話を聞く限り、医療の現場はまだまだ課題だらけです。当社の代表の沖山さんが言う、「医療はWinner Takes Allではない」という言葉がとても好きです。

数千年前から研究され続けてきていてもまだまだ課題が残り続ける「医療」は、人類にとってあまりにも壮大なテーマで、1人や1社で解決できる課題ではありません。

我々もまずはインフルエンザの領域でやりますが、感染症という1領域の1疾患の診断という医療全体からすればほんのたった一握りでしかありません。今後領域を広めていくとはいえ、課題解決をするためのプレイヤーが全く足りていないと思っています。
そのために、最も現場を知る医療者こそがどんどん立ち上がっていくといいなと思っています。


そんな彼らが立ち上がろうとした時に、僕が身近で相談しやすい人になれたらば、そして、その挑戦を支えられれば、それがもしかすると僕の生きる理由であり、個人ミッションになのかもしれない、と今は考えています。



——

このような文章を書き、IHLには無事合格し、先週末が第一回セミナーでした。
このIHLに1年間参加する中で、本業とはまた別の場で、いまはまだ漠然としている自分の個人ミッションをより深化し、実践していきたいと思います。


最後に、僕は挑戦する人が大好きです。
自身も挑戦者であり続けたいし、前向きに、一生懸命に挑戦する人に対しては、心から応援の気持ちしかありません。願わくば、自分の時間は有限なれど、そうした挑戦者には、応援の気持ちだけでなく、自分に具体でできることをしたいと思います。

その上で、こうした心意気を表明するだけでは何も変わらないと思っています。自身の時間を使って行動することにのみ価値があると思っています。
まだ何ができるかふんわりしていますが、まずは第一歩目のアクションとして、以下のような取り組みをトライアルで始めてみようと思います。(一旦自分のリソースもあるので、本記事読んでくれたかただけを対象に。)

—–

「医療の課題を解決するために起業をこれからする「医療者」の方の支援を無償でします!(トライアル)」

【対象の方】
・医療の課題を解決したい医療者(医療者でなくとも医療・ヘルスケアで強い解決したい課題がある方は検討いたしますのでご相談ください)
・6ヶ月をめどに起業する意思がある人
・ただ起業したい人/起業が目的の人ではなく、明確な解決したい課題があり、起業を手段として、そこに取り組もうとしている人

【サポート内容】
・本業以外の時間、土日や平日夜にごはん食べたりお茶したりしながら、月に1回の2時間程度の対面壁打ちをします
・その他メッセンジャーなどで随時相談にのります
・ビジネス検討のための人の紹介などもできると思いますが、営業先の紹介などは現時点ではお断りします
・場所は東京駅ー文京区近辺で考えています。どこに住んでいてもOKですが、このあたりに月1回来れる方(月に1回は直接会いたいです)
・僕がやったことあること、比較的アドバイスできること:ヘルスケア領域における市場性の見立てとビジネスとしての仕立て(ビジネスモデルと収益化の方法)、医療メディア(To 患者、患者家族, To Healthcare Professional)、医療機器(勉強&実践中)、製薬業界、SEOなどのWebマーケ、営業、アジアの医療ヘルスケア、スタートアップ、採用・コーポレートまわりの基礎、その他ヘルスケアビジネス全般の知識は深めていますが、医療機関運営などはわからないです
僕のやってきたことなど詳しいプロフはこちらをご覧いただき、マッチするかを事前にご判断ください→ https://healthcareit.jp/?page_id=21

【費用】
無償(対面相談のときのごはん代とかお茶代とかはご負担ください)

【その他条件】
・トライアルなので、まずは1−2名くらい、6ヶ月程度の有限支援を考えています。僕にとっても初挑戦なので、うまくいかなかったらごめんなさい
・支援が決まったらこちらも本気でやりますので、本気で挑戦しようと思っている人以外はご遠慮ください
・本応募に関しては個人情報、応募内容などその他一切の秘密を厳守いたします
・支援が決定した場合、本ブログやその他の場所での公開・紹介などさせていただく可能性はございますが、その際は事前に相談いたします
・もし本支援で、実際に起業することになった際に、あくまで双方合意となった場合、個人出資なども含め考えたいですが、こちらも必須では全くありません
・本トライアルで得た学びを踏まえて、本格的に支援を展開する可能性がございます。その際は、支援させていただいた方に相談に乗ってもらったりFeedbackを頂きたいです
・起業済みの方や企業でやろうとしている方は、有償で受けている他の仕事がありますので、公平性を担保するためこちらでは対象外にさせていただきます。同じような内容でMin月5万円〜受けている仕事ありますので、別途ご相談ください
・本支援はあくまでも個人としてやります。所属する企業とかには一切関係ないのでご了承ください
・本業や支援先の企業と直接に競合する場合など支援の対象外とさせて頂く場合がございますので、ご了承ください

【エントリー方法】
・自己紹介と解決したい課題、どうやるかのアイデア(もしあれば、なくてもよいです)を記載の上、下記問い合わせフォームもしくはFB, Twitterよりメッセージください(添付ファイルとかある方はFBmessangerのほうがいいかと)

お問い合わせ・仕事のご依頼
お問い合わせ コンサルティングや記事の執筆のご依頼など本ブログ執筆者・田中大地へのお問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。僕のFa...
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・応募ご支援するかどうかは念入りに選考いたします。選考条件は、人柄(僕が支援したいと思う人を支援したいです)と解決したい課題の大きさ、具体性、本気度です。Howの部分の現時点での精度はこだわりません
・エントリー締め切り後、実際に支援したいなと思う方は対面で面談したうえで決定させてください
・応募締切は9月中とさせていただきます

—-

以上、興味ある人は奮ってご応募ください。


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