製薬・医薬品

【2024年最新版オーソライズド・ジェネリック医薬品一覧表付】AGが製薬の業界再編をもたらしうるのではと思ったので調べてみた

皆様こんにちは、田中大地です。
最近明らかに国内製薬業界に面白い流れが来ているなと感じたので、久々に医療製薬ネタについて書いてみたいと思います。

その面白い流れとは「オーソライズド・ジェネリック」(通称「AG」)です。
すっごく簡単に言うと、「先発医薬品とほぼほぼ同じジェネリック医薬品」ですね。(下でしっかり説明しますw)

アメリカでは古くから用いられてきた医薬品マーケティング手法のひとつですが、国内で個人的に初めて「オーソライズド・ジェネリック」を意識したのは、昨年協和発酵キリン社の主力製品「ネスプ」のAGバイオシミラーについて話題になったときでしたが、より強く意識したのは2016年度の医薬品売上高ランキング(下記リンク)に「AG」の名前が登場したためでした。

【2016年度 国内医薬品売上高ランキング】「オプジーボ」前年比4.9倍で2位に―トップは2年連続「ハーボニー」
http://answers.ten-navi.com/pharmanews/10218/

ご覧の通り、あすか製薬のAG「カンデサルタン」(先発医薬品名・ブロプレス)、キョーリン製薬ホールディングス「モンテルカスト」(先発医薬品名・シングレア/キプレス)が売上高ランキングTOP200入りしています。

業界の方には当然ながら、仮にもジェネリック医薬品がこうした売上高ランキングに食い込むことなんて稀有なこと(というか聞いたことない、前例あるんですかね?)なので、非常に驚き、これはちょっと凄いことが業界に起こっていそうだぞと思った次第であります。

更につい先日、Meiji Seikaファルマが同主力製品の「メイアクト」AG発売も発表し、これはそろそろ真剣に流れが来ているのではと思ってきました。

そこで、この週末、オーソライズド・ジェネリックについて色々調べてたり、考察してみたのですが、これは将来的に製薬業界の業界再編をもたらしうるのではないか、と結論に至りましたので、それについて書いてみたいと思います。(いろいろ筋違いだったら申し訳ないです。いつものように色々な方からフィードバック頂けると喜びます。)

以下、目次です。

■目次
1.製薬業界の構造理解:ブランドVSジェネリック
2.オーソライズド・ジェネリック(AG)とは?
3.オーソライズド・ジェネリック(AG)のメリット
4.ブランド企業はどのようにオーソライズド・ジェネリックを活用すべきか
5.日本国内で発売のオーソライズド・ジェネリック(AG)医薬品一覧
6.オーソライズド・ジェネリックは調剤薬局や薬剤師にとってはメリットばかり
7.最も困るのはジェネリック専業製薬会社

製薬業界の構造理解:ブランドVSジェネリック

まずオーソライズド・ジェネリックの価値を理解するためには、製薬業界の基本的な構造を知っておく必要があります。(業界の方には今更な内容多くてすみません)

ジェネリックはよく聞きますよね。調剤薬局に行った際、「このお薬にはジェネリックがありますが、ジェネリックにしますか?(安くなりますよ)(日本の未来のために)」みたいな声かけをされたことあると思います。

で、基本的には製薬業界は、ブランド(先発品)と呼ばれる最初に出される医薬品VSジェネリック(後発品)と呼ばれる、ブランドと同一の成分を活用した医薬品の争いをずっとやってます。
なお、一般的に名前を知られている製薬会社、たとえば武田薬品、第一三共、ファイザーといった会社は主にブランド系製薬会社です。

ブランドは、出願から約20年~25年ほどある特許期間中(日本の場合)、独占の製造販売権を持つのですが、それが切れた瞬間にぐあーーっといっぱいジェネリック製薬会社が似たような薬を作るわけですね。売上の高い人気のブランドだと、30近い数のジェネリックが作られることもままあります。

下記は、僕の詳しいアルツハイマー型治療薬におけるブロックバスターブランド「アリセプト」(エーザイ)と同じ成分「ドネペジル」で作られるジェネリック医薬品の一覧です。

ドネペジル塩酸塩錠 医薬品一覧(リンクはメドレー医薬品辞典)
https://medley.life/medicines/prescription/compare/%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%9A%E3%82%B8%E3%83%AB%E5%A1%A9%E9%85%B8%E5%A1%A9%E9%8C%A0/

上記リンクの通り、50種類近い製薬会社が、アリセプトと同一成分でジェネリックを作っているのです。アリセプトは、当時、アルツハイマー型認知症に適応のある初めての医薬品として画期的とされ、売上高は世界でも年3,000億円を超える年もありました。

(なお、このように画期的な薬効を持ち、売上の高い医薬品を「ブロックバスター」と呼ぶことが多いです。10億ドル以上の売上が目安で使われます。ちなみに非常に有名なファイザーの「リピトール」は世界で、年1兆円近く売っていた時期もあります。)

そのような莫大な売上を誇る医薬品なので、ジェネリック医薬品会社も特許が切れたのを見計らってこぞって同じ成分で後発品を作るのですね。

で、ジェネリックは、薬価が(医薬品にもよりますが)ブランドの半分程度になっているので、これが出てき始めると、当然ブランドの売上が落ちていくわけです。

上記のアリセプトで言いますと、国内で最盛期の2011年度1083億円あった売上が、同年の特許切れにより2012年度724億円、2013年度650億円、2015年度405億円、2016年度295億円※と毎年のように落ちていきます。(最近の落ちは、ジェネリックのみならず、競合ブランド医薬品である第一三共の「メマリー」の躍進も大きいと考えられます。)
※数字はエーザイ社決算説明資料より

ちなみに日本はまだましで、アメリカは特許切れた瞬間引くほど売上が落ちます(パテントクリフ<特許の崖>ってやつですね)。アリセプトでいうと、アメリカで2010年度1,790億円あった売上が、特許切れた翌年2011年度に144億円となってます。1年で売上10分の1です。泣きますね。

この差は日本とアメリカの保険制度の違いに由来するのですがまたこれは面白いので興味があれば下記の本を読んでください。米国、日本の構造が対比的に説明されててわかりやすいです(いつまで経ってもオーソライズド・ジェネリックの話に入れず疲れてきた・・・)

リンク

ともあれ、日本は、ブランド・ジェネリック双方に3割負担適用になる皆保険があり、患者側に切り替え必然性が薄いため、なかなか切り替わりませんでした。
患者側からしたら、切り替えのベネフィットは医薬品の値段なのですが、もともと3割負担になるので安いんですよ。だからあんまり切り替わらない

もし皆保険がジェネリック出てるやつでブランド欲しいって言ったら、患者さん10割負担にしますよってなったら、全員ジェネリックにしますよね?アメリカはこれに近い構造になっています。だから切り替わる。

ただ、最近、このままじゃ医療費高騰しすぎて財政やばいので、国主導でジェネリックにもっと切り替えてーと頑張ってるわけですね。
ジェネリックに切り替えてくれたら保険点数を加算するよ、という形で病院、クリニックや調剤薬局にお願いしているわけです。(加算とは綺麗な表現ですが、その実は、切り替え進めないと、医療機関の売上がどんどん落ちていく仕組みを取っています。)

で、この加算の条件が、2年に1回の診療報酬、調剤報酬改定でどんどん厳しくなっているというのが今の状況です。国は財政がやばいので、とにかくブランド比率を減らすために必死なのです。

つまり、少しずつ日本の売上構造も、ブランドの特許が切れた後の売上の落ち幅が大きくなっていっているのです。
この騰落差が大きくなればなるほど、ブランド製薬会社は、特許期間中に最大の売上確保をしなければなりません。それこそ限られた特許期間中に、MRやら、学会やら、ウェブやら、それこそエムスリーやらを使って全力で新薬ブランドの認知度向上、使用率向上を狙いにいくのです。

そして、この特許切れ後の売上落下を防ぐ手段として、いまオーソライズド・ジェネリックに注目が集まっています。(ようやく本題に入れる・・・)

オーソライズド・ジェネリック(AG)とは?

先発ブランドメーカーからオフィシャルに製造販売の許諾を受けたジェネリックを、オーソライズド・ジェネリック医薬品と呼びます。

ん?、ブランドとジェネリックって敵対してるんじゃないの?なのにオフィシャルに許諾?と思われた方、その通りです。上の構造がある以上、ブランド系製薬からしたら、ジェネリックはかなり嫌な存在です。特許切れた瞬間たくさん出現し自分たちの売上を奪っていくのですから。

そのため、オーソライズド・ジェネリックは、ブランド系製薬会社の子会社や関係会社が、ブランド会社の認可を受けて製造するケースが一般的です。

たとえば、上記の売上ランキングに入っているあすか製薬は武田が主要株主ですし、キョーリンも元をたどれば、シングレア/キプレスを製造するMSDから生まれた会社です。

どうせ特許切れた後、競合の他のジェネリック会社に売上を奪われるよりは、自社の関係会社にジェネリック作ってもらってそっちに売上が移行するほうがいいよね、という発想なのですね。

オーソライズド・ジェネリック(AG)のメリット

オーソライズド・ジェネリックはオフィシャルに認可を与えたジェネリックということですが「ただ認めてるよ!」というだけでなく、大きく2つの特権が許されています。

1.ブランドと全く同じ原薬、添加物、製法、工場で製造される。

ジェネリックは、ブランドと同成分とを使っているとはいえ、患者によっては効果効能に違いが出る可能性があります。その製造方法や添加物に違いがある可能性があるためです。そのため、一部の医師においては、いまだにジェネリック切り替えを推奨しないケースもあるとはよく聞く話です。

しかしながら、AGはブランドがオフィシャルに認可しており、基本的に同一の工程で製造されるため、ブランドと全く同じ効果効能を期待できます。
医師からもまったく同効能が期待できるAGが最も安心なのです。(勿論、剤形などを工夫することによってブランド以上の価値を出しているジェネリックも多くありますし、またジェネリックのほうが効くというケースもあるそうです)

なお、下記の第一三共エスファが作成している図がわかりやすかったので引用させて頂きます。
AGとジェネリックの違い
※画像は第一三共エスファサイトより

薬価は他のジェネリックより若干高く設定されますですが、かねがね同一のレンジ(~ブランドの5割程度)に収まります。保険適用後の患者負担はほぼ気にならない程度でしょう。

2.ブランド医薬品の特許切れの半年前に発売できる。

そしてマーケティング上大きな意味合いを持ってくるのは、AGは、他ジェネリックに先駆けて半年前発売が可能という点でしょう。

半年間早く発売できるということは、半年間早く医師への情報提供も可能ということです。この間に元々同ブランドを使っていた医師/薬剤師にAGのを刷り込められれば、半年が過ぎた後も高い確率で継続的にAGが選ばれることになりそうです。

ブランド企業はどのようにオーソライズド・ジェネリックを活用すべきか

上記のメリットにより、AGの処方率は後発品におけるシェア50%以上がとれるケースも報告されています。

ブランド企業にとっては、AGの活用が今後戦略上、非常に重要となっていくのは間違いないでしょう。

しかしながら、一概にすべてのブランドでAGを発売すればいいのでは、というとこれもまた違うと思っています。当然、AGを発売すれば、より切り替えは加速しますので、薬価は大きく落ち、収益にも大きな影響が出てきます。

あくまで、ブランド品の特許が切れたときの、パテントクリフが大きい医薬品への投入、この見定めが重要ではないかと考えられます。パテントクリフが大きい医薬品であればあるほど、AGがその落ちの担保に活用できるわけです。
一方、圧倒的にブランド名が立っているケースや、その他別の理由で、ジェネリック切り替えが進まないケースにおいては、あえてAGを発売しないことも戦略的判断だと思われます。

なお、ブランド企業において、最もAGに力を入れているのが、第一三共エスファです。

まず、第一三共社の主力「オルメテック」のAG発売決定。親会社の主力を子会社が製造販売することは定石ですので驚きはなかったのですが、その後がすごい。
立て続けに、日本ベーリンガーインゲルハイム/アステラスから同主力ARB「ミカルディス」のAG発売権を獲得。その後、アストラゼネカと塩野義から「クレストール」のAG発売権も獲得したのです。

もともと競合関係にあった他ブランド製薬企業からAG発売権を獲得するというのは、きわめて稀なケースであり、かなりの交渉力が必要だったと想定されます。それだけ、AGへ力の入れ方が見れとれます。

また、第一三共エスファは下記のような啓蒙サイトも構築。オーソライズド・ジェネリック自体の認知度拡大にも注力しています。
https://www.daiichisankyo-ep.co.jp/generic/authorized/

日本国内で発売のオーソライズド・ジェネリック(AG)医薬品一覧

参考までに以下にオーソライズド・ジェネリック(AG)医薬品の一覧を掲載しておきます。(2024年12月時点)

成分名社名ブランド医薬品ブランド品社名発売月
フェキソフェナジン日医工アレグラサノフィ2013年6月
バルサルタンサンドディオバンノバルティス2014年6月
ゾレドロン酸サンドゾメタノバルティス2014年6月
カンデサルタンあすか製薬ブロプレス武田薬品2014年9月
レボフロキサシン第一三共エスファクラビットⓇ錠、細粒第一三共2014年12月
クロピドグレル日医工ブラビックスサノフィ2015年6月
トスフロキサシントシル酸塩小児用細粒MeijiSeikaファルマオゼックス富士フイルム富山化学2015年6月
アムバロ(バルサルタン+アムロジピン)サンドエックスフォージノバルティス2015年12月
カデチア(カンデサルタン+ヒドロクロロチアジド)あすか製薬エカード武田薬品2016年2月
カムシア(カンデサルタン+アムロジピン)あすか製薬ユニシア武田薬品2016年3月
バルヒディオ(バルサルタン+ヒドロクロロチアジド)サンドコディオノバルティス2016年6月
モンテルカストキョーリン/リメディオシングレア/キプレスMSD/杏林製薬2016年6月
バラシクロビルサンドファーマバルトレックスGSK2016年7月
パロキセチンサンドファーマパキシルGSK2016年9月
オクトレオチド酢酸塩皮下注サンドファーマサンドスタチンノバルティス ファーマ2016年12月
スマトリプタンサンドファーマイミグランGSK2017年1月
ホリナート岡山大鵬薬品ユーゼル大鵬製薬2017年1月
レバミピド大塚工場ムコスタ大塚製薬2017年6月
テラムロ配合錠(テルミサルタン・アムロジピン)第一三共エスファミカムロ日本ベーリンガーインゲルハイム2017年6月
テルチア配合錠(テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド)第一三共エスファミコンビ日本ベーリンガーインゲルハイム2017年6月
テルミサルタン第一三共エスファミカルディス日本ベーリンガーインゲルハイム2017年6月
ジエノゲスト錠/ジエノゲストOD錠持田製薬販売ディナゲスト持田製薬2017年6月
エスワンタイホウ配合OD錠(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)岡山大鵬薬品ティーエスワン大鵬製薬2017年6月
セフジトレンピボキシルMeiji SeikaファルマメイアクトMeiji Seikaファルマ2017年7月
オルメサルタン第一三共エスファオルメテック第一三共2017年9月
ロスバスタチン第一三共エスファクレストールアストラゼネカ2017年9月
イルベサルタン住友ファーマプロモアバプロ大日本住友製薬2017年12月
レトロゾール錠サンドファーマフェマーラノバルティス ファーマ2017年12月
ベポタスチンベシル酸塩二プロタリオン田辺三菱製薬2018年3月
ドルゾラミド・チモロール参天アイケアコソプト参天製薬2018年6月
イルアミクス配合錠(イルベサルタン+アムロジピンベシル酸塩)住友ファーマプロモアイミクス大日本住友製薬2018年6月
レボフロキサシン点滴静注バッグ第一三共エスファクラビット点滴静注/点滴静注バッグ第一三共2018年6月
ランソプラゾール武田テバファーマタケプロン®OD錠武田薬品2018年9月
フリウェル配合錠(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)あすか製薬ルナベル配合錠ノーベルファーマ2018年12月
ボグリボース/ボグリボースOD武田テバファーマベイスン/ベイスンOD武田テバ薬品2019年1月
ピタバスタチンカルシウム錠興和AGファーマリバロ興和2019年1月
ゲフィチニブ第一三共エスファイレッサアストラゼネカ2019年3月
シロドシン/シロドシンOD第一三共エスファユリーフ/ユリーフODキッセイ2019年3月
ブロナンセリン住友ファーマプロモロナセン大日本住友製薬2019年6月
ビカルタミド第一三共エスファカソデックスアストラゼネカ2019年6月
アナストロゾール第一三共エスファアリミデックスアストラゼネカ2019年6月
ダルベポエチン アルファ協和キリンフロンティアネスプ協和発酵キリン2019年8月
タモキシフェン第一三共エスファノルバデックスアストラゼネカ2019年6月
モメタゾンキョーリンリメディオナゾネックスMSD2019年8月
リマプロストアルファデクス日医工オパルモン小野薬品工業2020年5月
エゼチミブ第一三共エスファゼチーアMDS2020年6月
セレコキシブヴィアトリス・ヘルスケア合同会社セレコックスファイザー/アステラス2020年6月
メマンチン第一三共エスファメマリー第一三共2020年6月
レボセチリジン武田テバファーマザイザルGSK2020年6月
イミダフェナシンキョーリンメディオウリトス杏林製薬2020年6月
デュタステリド武田テバファーマアボルブGSK2020年7月
ピオグリタゾン武田テバファーマアクトス武田テバ薬品2020年7月
デフェラシロクス顆粒分包サンドファーマジャドニュノバルティス ファーマ2020年9月
プレガバリンヴィアトリス・ヘルスケア合同会社リリカファイザー2020年12月
リバスチグミン沢井製薬イクセロン/リバスタッチノバルティスファーマ/小野薬品工業2020年12月
ロレアス配合錠(クロピドグレル硫酸塩/アスピリン)日医工サノフィコンプラビンサノフィ2020年12月
デスフルランバクスター・ファーマ合同会社スープレンバクスター2020年12月
プソフェキ配合錠(フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン)日医工サノフィディレグラLTLファーマ2020年12月
ブリンゾラミド懸濁性点眼液 1%サンドエイゾフトノバルティスファーマ2020年12月
フルマゼニルニプロアネキセートサンドファーマ2021年6月
メトホルミン塩酸塩住友ファーマプロモメトグルコ大日本住友製薬2021年2月
ジルムロ®配合錠LD・HD武田テバファーマザクラス配合錠LD・HD武田薬品工業2021年6月
アムロジピン/ドキサゾシン/エレトリプタンヴィアトリス・ヘルスケア合同会社レルパックスファイザー2021年3月
ソリフェナシンコハク酸塩錠日医工ペシケアアステラス製薬2021年6月
パロノセトロン塩酸塩岡山大鵬薬品アロキシ大鵬製薬2021年9月
カンデサルタン武田テバファーマブロプレス武田薬品工業2022年1月
カルベジロール第一三共エスファアーチスト第一三共2021年12月
ピルシカイニド塩酸塩第一三共エスファサンリズム第一三共2021年12月
アゾセミド第一三共エスファダイアート三和化学研究所2022年
4月
ボルテゾミブ第一三共エスファベルケイド注射用ヤンセンファーマ2021年12月
エルデカルシトール東和薬品エディロール中外製薬2022年12月
オロパタジン塩酸塩サンドパタノール点眼液ノバルティスファーマ2021年12月
タダラフィル日本新薬ザルティア日本新薬2021年12月
モキシフロキサシン塩酸塩サンドベガモックス点眼液アストラゼネカ2021年12月
エンタカポンサンドコムタンノバルティス2022年1月
エソメプラゾールニプロネキシウムカプセルアストラゼネカ2022年年12月
フェブキソスタット第一三共エスファフェブリク帝人ファーマ2022年6月
トルバプタン大塚製薬工場サムスカ大塚薬品2022年6月
オメガ-3脂肪酸エチル武田テバファーマロトリガ武田薬品2022年6月
リバーロキサバンバイエル薬品イグザレルトバイエル2022年10月
炭酸リチウムトクホンリーマス大正製薬2022年6月
クラリスロマイシン・ドライシロップ小児用トクホンクラリス・ドライシロップ10%小児用大正製薬2022年6月
ラメルテオン武田テバファーマロゼレム錠武田薬品2022年9月
イグラチモドあゆみ製薬ケアラムエーザイ2022年12月
アザシチジン注射用沢井製薬ビダーザ日本新薬2022年6月
アトルバスタチン錠ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社リピトールヴィアトリス製薬2022年12月
アジルサルタン錠武田テバファーマアジルバ錠武田薬品2023年6月
ビソプロロールフマル酸塩錠第一三共エスファメインテート錠田辺三菱製薬2023年7月
レナリドミドカプセルブリストル・マイヤーズ スクイブレブラミド カプセルブリストル・マイヤーズ スクイブ2023年12月
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液武田テバファーマアラミスト点鼻液グラクソ・スミスクライン2023年6月
ノーベルダイトノベルジン錠ノーベルファーマ2023年12月
シタグリプチンリン酸塩メディサ新薬ジャヌビア錠アステラス製薬未定
トレリーフOD錠住友ファーマプロモゾニサミド住友ファーマ2024年2月
ルビプロストンヴィアトリス・ヘルスケア合同会社アミティーザカプセルヴィアトリス製薬未定
ダサチニブ錠『BMSH』ブリストル・マイヤーズスクイブ販売スプリセルブリストル・マイヤーズスクイブ販売2023年12月
スガマデクス静注液丸石製薬ブリディオンMSD2024年6月
エフィナコナゾール科研ファルマクレナフィン爪外用液科研製薬未定
リパスジル塩酸塩水和物興和AGファーマグラナテック点眼液興和未定
レボエチ配合錠あすか製薬ジェミーナ配合錠ノーベルファーマ未定
酢酸亜鉛顆粒5%「ノーベル」ダイトノベルジン®顆粒ノーベルファーマ2024年6月
ロキソプロフェンNa テープ第一三共エスファロキソニン®テープリードケミカル2024年12月予定
アコチアミド塩酸塩錠ゼリアップアコファイド錠ゼリア新薬未定
エプレレノン錠ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社セララ錠ヴィアトリス製薬未定
シルデナフィル錠ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社レバチオ錠ヴィアトリス製薬未定
イバンドロン酸静注トクホンボンビバ静注大正製薬未定
ヒドロキシクロロキン 硫酸塩錠第一三共エスファプラケニル®錠サノフィ未定
エリブリンメシル酸塩静注液日医工ハラヴェンエーザイ2024年12月予定
リバーロキサバン錠第一三共エスファイグザレルトⓇ錠バイエル ライフサイエンス未定
リバーロキサバンOD錠第一三共エスファイグザレルトⓇOD錠バイエル ライフサイエンス未定

なお、国内初のオーソライズド・ジェネリックは、日医工社がサノフィ社より許諾を受けて販売している「アレグラ」ですね。花粉症に苦しんでいる同士の皆様は、聞いたことあるかもしれません。(なんとなくアレグラじゃなきゃ効かない!という人もいるのでは?AGなら安心ですw)

オーソライズド・ジェネリックは調剤薬局や薬剤師にとってはメリットばかり

このAGがもたらすメリットは、ブランド製薬企業や、患者に限りません。調剤薬局にとっても追い風といえるでしょう。

先に述べたように、国の財政逼迫に伴い、調剤薬局が追っている(追わされている?)ひとつの重要指標が、ジェネリックの切り替え比率のわけです。

実際にどこの調剤薬局の決算資料を見ても、下記のようにオペレーション上の重要指標としてジェネリックの切り替え比率が載っています。

アイン決算
※画像はアインファーマシーズ決算説明会資料より

当然ながら、調剤薬局における薬剤師さんが患者さんに対して、「オーソライズド・ジェネリック医薬品とブランドは、まったく同一なんです。効能も一緒なので安心です」と言えたほうが、切り替え成功率は高まることはまずもって間違いないでしょう。

そのため、仮にAGとその他のジェネリックの仕入れ価格が共通だとすると、調剤薬局に対しては、ジェネリック切り替え難易度が下がるため、プラスに働くはずです。※

※日本ジェネリックを傘下に持つ、日本調剤には逆ザヤにはたらく可能性はあります。日本調剤にとっては、子会社のジェネリックを処方することがホールディングス全体にとって収益が高い設計になっていると想定できるため。

最も困るのはジェネリック専業製薬会社

さて、この流れに対して、ジェネリック専業の製薬会社ははかなり高い危機意識を持っているでしょう。上に述べたとおり、ジェネリックがAGに勝つためにはかなりの努力が必要になるからです。

かといって、ジェネリック専業会社は、その立ち位置上、ブランドと良好な関係を築いているケースはそこまで多くないかと想像されますので、AGの発売を行うことも難しいというわけです。

なお、日本でジェネリックで有名な会社ですと、日医工、沢井製薬、東和薬品で御三家と呼ばれます。これにMeiji Seikaファルマ(明治グループ)、日本ジェネリック(日本調剤グループ)といった会社が有名です。
なお日医工はサノフィ社と合弁会社を設立しておりますので、サノフィ社のブランドに対してAGを発売することで、この流れにはいち早くついていっています。

僕は、このAGを契機に、一定製薬業界の再編が進む可能性を考えています。具体的には、ブランド企業とジェネリック企業の買収やブランド会社有利な提携などもあるのではないでしょうか。大手はまだしも、中小のジェネリック企業にとっては、AGはあまりにも強い存在に思えます。

ここまでジェネリックに苦しめられてきた、ブランド製薬会社の逆襲が始まるのではないか、と今後の業界の動きに更に注目していきたいと思います。(7,000字以上も書いて疲労困憊です)

▼AG含め、医薬品業界構造理解のための最初の一冊におすすめ!読み直しにも最適です!

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