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「ヘルステック」が変える医療・ヘルスケアの未来を、『未来に先回りする思考法』を読んで考える

KINDLEついに買ったよ!

こんにちは、シンガポール生活8か月目を迎えました田中大地です。

さて、海外住むことの1つの課題が日本の書籍。シンガポールにも紀伊国屋が何店舗か進出してて、一定有名な日本の書籍は買えるのだけど、価格は大体日本の2倍。中身は全く同じなんで、さすがにちょっと抵抗あります。

これまでは日本帰省するときに、まとめて10冊くらい買っておいて持ち帰るという荒業で乗り越えてきたのですが、やっぱり購入時と時間があいちゃうと、うーんいまこの本読みたい気分じゃないなーとかも多くて、本読む数がだいぶ減っていたので、いかんなと思ってました。

そして、ついに買ってしまいました。KINDLE!

とりあえずよく差がわからなかったので、一番安いKINDLE Fire買ってみたのだけれど、十分すぎます。
ちなみにプライム会員だと4,000円オフになるということので、速攻プライム会員申し込んだ(シンガポールにいるとプライム会員の恩恵受けられないので検討してなかった)のだけれど、1か月の無料体験期間中は4,000円オフが適用にならないとのこと。

さらに無料体験から有料会員に即時移行できず(1か月待たなきゃいけない)、4,000円オフはあきらめました。みなさんご注意ください!

そして今思ってることですが、

まじKINDLE最高。

ほんと今まで、いや俺写真と本だけはアナログ派の人間だから、とか言っててすみません。
海外生活者の必須ツールですね。いま使用開始1か月くらいだけど、本読む数が3倍くらい増えてます

大概セールやっててだいぶ安く買えるし、どこにでも持ち歩けるのがいいです。猿みたいにワンクリックで本買ってます。

『未来に先回りする思考法』

で、ようやく読みました~メタップス社長、佐藤航陽氏の 『未来に先回りする思考法』。だいぶ話題になっていたので、読んでる方も多いと思いますが、まあ上記の事情があるので出遅れている感あることをお許しください。

未来に先回りする思考法

これは前評判通りの良い本ですねー。読んでない人は是非読んでほしいと思います。

冒頭の、

「実際に空を飛ぶ機械が、数学者と機械工の協力と不断の努力によって発明されるまでには、百万年から一万年かかるだろう」
ニューヨークタイムズにこのような社説が載ったのは、ライト兄弟が人類で初めて空を飛ぶわずか数週間前のことでした。

この話からやばいじゃないすか。ニューヨークタイムズと同じような読み違え自分の領域でしてたら事業終わりますよ。もうこれ知っただけで買ってよかったなと思いました。

内容に何かを求めるというよりは、自分の領域だとどういうことかなと置き換えると良いんじゃないかなと思います。僕もこの話、医療・ヘルスケア領域で考えるとどういうことかなーと色々考えながら読みました。

内容についてはあちこちで何度も書かれたと思いますので、せっかくなので、いくつか個人的に考えたことを話してみましょう。

遠隔診療の未来

たとえば今ホットトピックの「遠隔診療」

僕自身は、遠隔診療ビジネスは日本においてはなかなかしんどいよね、と思ってます。

国のめんどくさい規制に加え、都心においては皆保険で安価にあちこちの医療にアクセスできるのに準富裕層くらいからしか需要ないだろうと思ってるし、田舎は一定あるかもだけどボランティア規模でビジネスにならないでしょ、とだいぶ疑っていて、いま事業として本気で参入するのは危険すぎると踏んでいるわけです。規制の甘い国でやったほうがいいよね、となってしまう。

(ちなみに確率論的な事業参入すべきかどうかの話をしているだけで、社会的価値は高いと思うし、個人的にやりたい気持ちはあります。)

で、こんなこと言ってる3年後とかに、きっとメドレーかメドピアあたりが大成功させちゃうわけですよ。

それだけであれば、事業の参入機会を失う+僕がひっそりと過去のブログを修正だけで済むんですが(いや、しないけどw)、他にも業界の常識を塗り替えてしまう変革が、医療・ヘルスケアIT領域にはいっぱい起こると思ってます。

VRや人工知能、ヘルステックがルールを変える

その代表格となると思っているのが、ヘルステック

僕も人一倍医療ヘルスケアITのことは考えてますし、考えたことを自分の事業で実践に移しまくっているので、「医療・ヘルスケア×Web」においては、手触り感を持ってだいぶ詳しくなってきているのではないかなと自負はあります。

でも一方で「医療・ヘルスケア×テクノロジー」、たとえばVRや人工知能のような領域においては、まったく弱いということに自分で気付いているわけです。しかしながら、これらの技術が近い将来確実に業界のルールを変えると思っています。

たとえば「VR」
ボタン押したら医師がビュンと目の前に現れて、診察してくれたら、絶対いいじゃないですか。

いま厚労省が言ってる、対面診療がどうのって、高性能VRだったらもうそれ対面診療だから、厚労省も医師会もNoとは言えないでしょう。

そして「人工知能」
結局、医師の「現状の」「メインの仕事」って、患者のケースをYes、Noのチャートに当てはめて、結果を出している=「診断」にすぎないから、まさに人工知能が得意な領域ですよね。

で、人工知能による診断行為の代替が可能になったときに、医師の価値は圧倒的に低下します。診断結果に応じた最適な医薬品を選択することも人工知能の得意分野ですから、医師に頑張って自社の薬売り込んでたMRの存在価値もなくなる。

これは既存のビジネス慣習を破壊する、まさにテクノロジーがルールを変えてしまいうるわかりやすい事例だと思っています。

「MR君」や「お薬辞典」の価値は?

このとき、(人工知能に感情はないという前提で)製薬会社の仕事としては「できる限り多くのペイシェントケースで、自社の医薬品を使用したときの、患者の生存率が一番高くなるように医薬品の質を上げていくこと」にシフトしていきます。

これ自体は、業界の歪み、非効率を改善する流れだし、まったく持って正しい世界なので「いいね!」なんだけど、じゃあそうなったときに「MR君」や「お薬辞典」といったビジネスも意味なくなるわけで、おおお、やべえじゃんと思うわけです。

いま最強のエムスリーもMedscapeも現状の「医療・ヘルスケア×WebにおいてNo.1」なだけであって、ルール自体が変わってしまったら話は別なわけです。

ここに書いたような世界はいつかは訪れるでしょう。でも、それが果たして10年後に来るのか、20年後なのか、はたまた50年後なのかわからないからまた難しいのです。今すぐ心配しなければならないのか、とりあえず頭の片隅においておけばいいのかわからない。

個々のキャリア形成としても、「Web人材」ってコモディティ化していくのは目に見えていて、もっとテックで何ができるかを知っている人材が求められる時代がきます。

実際に『未来に先回りする思考法』に書かれているとおり、GoogleとAmazonとFacebookはとんでもない金を人工知能とVRに突っ込んでいるし、採用している人材もそちらにシフトしています。「Webビジネスができる人材」は、少なくとも業界最先端のGoogleやAmazonでは、既に価値が下がり始めているのではないかと思うわけです。

なんてことをね、ドキドキしながら考えたので、書きなぐってみましたが、そういうことを改めて考える機会をもらえるだけでも、『未来に先回りする思考法』は読むことをおすすめします。

今なら、期間限定Amazonポイント20%キャンペーン+KINDLEだったら更に25%オフで実質50%オフくらいで買えますよ。ぜひぜひ。

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