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【随時更新】医療ヘルスケアIT業界でビジネスやる人へのおすすめ本まとめ

お久しぶりです。アジヘルこと田中大地です。最近、ブログ読んでいただいている方から、医療ヘルスケアまわり本のAmazonセールの紹介が参考になる、もっとやって欲しいというありがたいお言葉をよく頂きます。

僕は、本はすっかりKindleセールでばかり買うようになってしまいましたが、医療ヘルスケア本は、Kindle対応してなかったり、セールにならない本も多いので、ストック情報として、僕のおすすめ本をテーマ別にまとめていこうと思います。

まだまだ掲載できていないものがたくさんあるので、随時追加更新していきます。コメントも途中で疲れてしまったのでいったん記事公開します。リーンスタートアップ!あとこの本おすすめだよーというものあれば、下記僕のFBなどから教えてもらえると嬉しいです!
僕のFBはこちら

テーマ:医療業界の構造理解

「マンガ vol.3 ―2016年度診療報酬改定徹底解説」

おすすめコメント:
医療ビジネスを行うためのもっとも重要なことは、なによりもその複雑怪奇な業界構造を理解することだと考えています。その中でも、特に保険の仕組みの理解は身につけておかないと、その本質を逃すことになります。

保険制度は国によってまったく異なっており、ゆえにアメリカで成功した事例が日本でそのまま成功する、なんてことは極めて稀であり、保険制度それ自体が参入障壁にも繋がります。その意味で、医療ヘルスケアはグローバルビジネスではなく、究極のローカルビジネスだと考えています。

さて、保険制度の根本を理解したら、2年に1度の診療報酬の改定にも注目してみましょう。
なぜなら、診療報酬の改定は、政府が限られた医療費予算をどこに注力して振り分け、どこを捨てていこうとしているのかを明確に反映するからです。当然ながら政府の注力ポイントをしっかり抑え、(できるならば改定前に予測し、)その領域におけるビジネスの早期立ち上げが重要でしょう。逆に、もし予算削減(点数削減)ポイントでビジネスをしているのならば、長期的に更に悪化していくはずですから、すぐにピボットすることも視野に入れることもときに必要です。

たとえば、2016年度の改定では、「入院療養から在宅への振り分け」「DPCの更なる強化」といった点が挙げられるかと思いますが、明らかに在宅やDPC領域におけるビジネスの方が筋が良いわけです。

業界用語だらけで、なかなかとっつきにくい診療報酬の改定を、本シリーズは毎回マンガでわかりやすく説明してくれており、導入の一冊としては最適かと思われます。しかしながら、そもそも構造理解が難しい業界なので、本数冊で理解しきれるはずはなく、ハンズオンで事業を進めながら、多くの人に会い話を聞き、また本に立ち戻るという根気強いアプローチが必要があることは覚悟しましょう。

Kindle版:有り、たまにセールになります。

「最新業界の常識よくわかる医薬品業界 (最新・業界の常識)」


おすすめコメント:
上に続いて医療業界、特に医薬品業界における構造理解の導入に最適な一冊を紹介します。
僕もシンガポールにきて、製薬向けにビジネスをやるぞ、と決まったときに、こうした業界本はひととおり読んだのですが、その中でも重要なポイントが一番簡潔にまとまっているな、と思ったのがこの本です。

マーケットのでかい医療業界においても、医薬品はかなりお金が動いており、かつ非効率が多く存在する領域です。「創薬」「マーケ」「流通(卸、薬局)」の3つの観点でこの本に書かれていることの理解を進め、非効率を見つけだせると非常にビジネスとして面白いですし、エムスリーがわずか10数年で1兆円企業になれたのも、医薬品領域における非効率さを捉えたことがひとつの要因でしょう。

この本を1年に1回ほど読み直しているのですが(こないだも読んだ)、自分の中でアップデートがあると、本書の内容がより深く理解できるため、毎回新たな発見があります。その意味で、初心者だけでなく、業界が長い方にもおすすめできる一冊かなと思います。

Kindle版:無し

テーマ:医療ヘルスケアビジネス概論

「ヘルスケアビジネス成長戦略研究―――近未来の国内最大マーケットに挑む」


おすすめコメント:
上記の2冊で医療業界の構造理解が進んだら、次は具体的な企業を見ていくのがよいでしょう。その際に、最適な一冊がこの本です。
コンサル大手、タナベ経営のヘルスケアチームリーダー、松室氏によってまとめられたヘルスケアビジネス概論&企業紹介本です。
これまで医療・ヘルスケア関連の上場企業に特化してここまでまとめられた本はなかったように思うので、その意味で非常に貴重な一冊に仕上がっています。

国内においては、ほぼ全ての産業が人口減に伴い衰退していく中で、現在の市場規模60兆円、2025年には100兆円、GDPの約10%がヘルスケア産業と(自動車産業は50兆円)といわれる市場規模の大きさと成長性に、ビジネスマンであれば医療ヘルスケアに張らない理由はないと改めて思わされます。

本書は、ヘルスケア企業を俯瞰的に拾っているので、正直、個別の企業に関する分析は表面的で浅いレベルにとどまってしまっているとも言えるでしょう。(コンサルの人が書いた本っぽいといえばそうなのですが)

逆に言えば、医療ヘルスケア銘柄で投資やビジネスをするのであれば、ここに書かれていることくらいは最低限理解しておきたいということもできます。
個人的には、あまり意識していなかった東邦ホールディングスの戦略が面白いなと感じました。

参考:本書で取り扱われている主な上場企業一覧
イオン[8267]
ベネッセ[9783]
ココカラファイン[3098]
マニー[7730]
小林製薬[4967]
ロングライフホールディング[4355]
N・フィールド[6077]
エムティーアイ[9438]
ジェイアイエヌ[3046]
エムスリー[2413]
ホギメディカル[3593]
コシダカホールディングス[2157]
ペプチドリーム[4587]
メディカルシステムネットワーク[4350]
メドピア[6095]
エス・エム・エス[2175]
シスメックス[6869]
エラン[6099]
東邦ホールディングス[8129]
リクルートホールディングス[6098]

「AI経営で会社は甦る」


おすすめコメント:
AI本ではあるものの、医療AIについてそこまで深く触れられているわけではありません。また、現時点で、医療AIについてしっかりと書かれた書籍は、研究書以外ないように思います。

しかしながら、昨今のWELQ問題を取り上げながら、ヘルスケアビジネスでの参入における注意点や勝ち方について論じる章は、まさに核心をついているように思えます。
多くの企業から、医療はマーケットが大きく成長市場だから参入したい、という話を聞くようになったのですが、今一度この本を読んで立ち止まって考えるといいかもしれません。

また、本書を読んで、深く掘り下げて理解をしようとした項目のひとつが、医療ビジネスにおける「ローカル性」の有無についてです。本書ではローカル性の重要さがビジネスにおける肝だということが幾度となく書かれます。

先にも書いたように、保険制度から全て定義される医療ビジネスは、ローカル性がとにかく大きい領域です。
例えば日本における「遠隔診療」領域も、ヘルステックと言われつつも、実を見ればテクノロジーが勝敗を決めるわけではない領域のため、保険制度にしっかり入り込んだプレイヤーが勝つゲームなはずで、その意味でローカルプレイヤーが独自進化を遂げていきます。あれほど遠隔診療が進んでいるアメリカやインドの遠隔診療プレイヤーが日本に全く参入してこないのが一つの現れでしょう。

別の例でも、医療メディアにおいても、最後発だったWELQがあそこまでのトラフィックをわずか1,2年で集めたことに、言語という「ローカル性」の妙味を感じます。つまり、アメリカで圧倒的なポジションをとっているWebMDやEveryday Healthといった健康メディアの雄やPatientsLikeMeといった患者コミュニティは、その言語によって直接の競合とならず、また日本ではそういった患者向けメディアの雄がいまだ存在していないということです。

さて、これが「医療AI」でも同じことが起こるのか、は僕のいまの興味のある領域のひとつです。
医療AIそれ自体は、GoogleやMicrosoftが明らかに勝ち上がっていきそうなゲームですが、さて日本というマーケットに絞って考えると直接GやMが競合になってくるのか、つまりローカル性が存在するかどうかは、日本人として医療ビジネスに関わるものとしては気になります。
このような思考のトレーニングをするのに、「AI経営で会社は蘇る」は、是非おすすめしたい一冊です。

Kindle版:有り、20%オフくらいにはよくなっています

また、医療AIでのビジネスを真剣に考えている人は、超豪華な執筆陣が医療AIについて語るこちらも良さそうです。(まだ発刊前で、5,000円くらいするのですが)

医療白書2017-2018年版 AIが創造する次世代型医療

「未来に先回りする思考法」


おすすめコメント:下記の過去記事にて紹介しています。
「ヘルステック」が変える医療・ヘルスケアの未来を、『未来に先回りする思考法』を読んで考える
Kindle版:有り、よくセールになります

テーマ:病院・クリニック経営

「カイゼン型病院経営 ―待ち時間ゼロへの挑戦」

おすすめコメント:
意外と知られていなくて驚くのですが、元内閣総理大臣、現財務大臣の麻生太郎氏の実弟、麻生泰(あそうゆたか)氏は福岡では非常に有名な麻生グループの会長です。

同社は、医療事業を中心としたコングロマリットの形をとっており、地域中核病院の運営も行っています。
また、病院運営で貯めた知識を持って、病院経営/医療コンサル事業を行う麻生メディカルサービスも展開しています。このあたりよく指摘される医療と政治のどろくささがにじみ出る気もします。

その麻生泰氏が自社の病院経営について、(まったくそんな必要もないであろうに)書を記してくれることに感謝し、医療ビジネス、病院経営に関わる方であればまず読んでおきたい一冊でしょう。
外から見るとブラックボックスにしか見えない病院経営で、なんやら難しそうと敬遠してしまいがちですが、実は他の業界となんら変わらず、PDCAを愚直に回し続けることで改善するのだということに気づくことができるはずです。

Kindle版:無し

「開業医のためのクリニックM&A」

おすすめコメント:
現代の医療業界を捉まえる上で、医療法人のM&A、事業承継は決して逃してはいけない視点です。
アメリカのカイザー・パーマネンテの事例を見ずとも、ますます病院、クリニック、介護施設の垂直統合は進むはずで、M&Aを制したものがヘルスケアビジネスを制す、という発言すら極端ではない時代がやってくるかもしれません。実際に、Googleやジェフ・ベゾスもクリニックへの投資を加速させています。

しかしながら、こうしたクリニックのM&A事情はなかなか表に出ることがなく、構造理解が非常に難しかったのですが、その実際をわかりやすいハウツー本として、税理士でありクリニックに特化したM&Aコンサルの岡本氏が記してくれたことに深く感謝して拝読しましょう。

Kindle版:有り

「超高齢化時代を生き抜く病院経営10の戦略」


Kindle版:無し

「病院経営を劇的に改善する 医療データ活用戦略」


Kindle版:無し

「スマホで始まる未来の医療 医療+ICTの最前線」


おすすめコメント:
上で紹介した病院経営本に比べると、かなり具体的な知識インプット本とはなりますが、医療機関におけるICT利活用は、これからの時代の病院経営において、決して無視することはできない、ひとつの巨大なテーマです。

本書は、国内で最もICTの利活用が進んでいると言われる東京慈恵会医大病院で実際に行われているICT活用までの道程を丁寧に教えています。筆者のポジションからも、病院経営視点は薄く、現場のICT導入担当者視点が強いものとなっているため、教科書本として良さそうです。

また、PHRや電子カルテなど病院を対象にビジネスを行っている方たちも一読すると、自社サービス開発への学びが多いはずです。タイトルからてっきり遠隔診療本かなと、と思ってポチっとしたことは内緒です。

Kindle版:有り、半額セール対象に結構なります。

テーマ:医療×ビッグデータ

「医療ビッグデータがもたらす社会変革」


Kindle版:有り、まれにセール対象になります

テーマ:医療×VC

「医療機器開発とベンチャーキャピタル」


Kindle版:無し

テーマ:アメリカ×医療

「医療戦略の本質 価値を向上させる競争」


Kindle版:無し

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